島根
隠岐諸島の神社巡り8選!神社の特徴や見どころから御朱印の情報まで解説
島根半島沖に浮かぶ、4つの有人島と約180もの無人島からなる隠岐諸島(おきしょとう)。古事記の国生み神話にも記載されるなど、とても歴史深い島としても有名です。隠岐諸島には今も100以上の神社が残され、中には1000年以上の歴史を誇る神社もあります。また、4つの有人島は島前(どうぜん)と島後(どうご)の2つに大きく分けられますが、それぞれの島同士を船で移動することができ、神社を巡りながらアイランドホッピングをすることも可能です。すぐ近くの島でも似ているところもあれば個性が光る違いもあり、比較をしながら楽しむことができるのでおすすめです。今回は島根県隠岐諸島にある神社の中から厳選して8社をご紹介します。
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撮影:りとふる編集部
隠岐諸島と神社について
島根半島沖に浮かぶ隠岐諸島は、4つの有人島と約180もの無人島の島々からなります。島後水道を境に京から見て奥に位置する隠岐の島町を島後(どうご)、手前に位置する島々を島前(どうぜん)と呼び、中ノ島、西ノ島、知夫里島(ちぶりじま)の3つの有人島とその他の島々が含まれます。現存する日本最古の歴史書とされる古事記の国生み神話の中で、淡路島、四国に次いで隠岐国は3番目に生まれた隠伎之三子島(おきのみつごしま)と記載されているとても歴史深い島です。
隠岐諸島には、かつて数多くの神社仏閣が信仰の対象として建てられ、4つしかない有人島に今も100以上の神社が残され、1度では回り切れないほどの見どころがあります。また、隠岐諸島の神社の魅力はその数だけではありません。現在、島根県内に数ある神社の中で明神大社(みょうじんたいしゃ)という高い格式を持つ神社は出雲大社を含む6社のみですが、そのうち4社が隠岐諸島にあります。
明神大社とは、927年当時の官庁から認められた全国の神社をまとめた『延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)』に記されている神社です。分かりやすく言うと、当時の神社の格付けリストのようなものに記載されるほど由緒があり、当時から既に官社として認められていた格式高い神社だということです。
出雲大社など全国の神社からヒントを得て造られた隠岐造と言われる建築様式や隠岐独自の神を祀るなど、隠岐諸島ならではの文化が今も残され、それを実際に見ることができます。
隠岐旅行で絶対に行きたいおすすめ神社8選
今も地元の方々を中心に大切に守られている隠岐諸島の神社には、それぞれの特色や地域に根付いた風習などが今も残されています。今回は数ある神社の中から、初めて隠岐を訪れる方にもおすすめしたい、ぜひ訪れてほしい神社を厳選してご紹介します。
また、地元ガイドの方と神社巡りをすることで見るだけでは分からない歴史や背景なども聞くことができ、とても興味深い時間となりました。神社ごとの特徴が分かるとより一層魅力を感じられるので、興味がある方はツアーに参加するのもおすすめです。隠岐諸島へ旅行に行く際は、ぜひ参考にしてスケジュールに入れてみてくださいね。
島後の神社
水若酢神社
隠岐国一宮で明神大社でもある「水若酢神社(みずわかすじんじゃ)」。隠岐三大祭の1つでもある「水若酢神社祭礼風流(さいれいふりゅう)」が行われたり、古典相撲が取られるなど、今も伝統芸能が受け継がれている場所です。また、広い境内のすぐ隣の敷地には明治時代の役所を移転・修復した「隠岐郷土館」があります。神社のすぐ後ろにあるのが不思議に思えるようなかわいらしい洋風建築なので、合わせて訪れてみてください。
玉若酢命神社
島後の玄関口である西郷港や隠岐ジオパーク空港からほど近い場所にある、島後の総社「玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ・たまわかすのみことじんじゃ)」。島後最古の神社で、隠岐造の本殿や立派なしめ縄、伝説が残されている国指定天然記念物「八百杉(やおすぎ)」などの見どころも多く、毎年6月には島後三大祭りの1つ「御霊会風流(ごれえふりゅう)」も行われます。また、代々で玉若酢命神社の神職を勤めている社家の「億岐家住宅」が隣接し、宝物殿には日本で唯一現存している「駅鈴」などの国指定重要文化財の展示がされています。今に繋がる解説なので、歴史が苦手な方でも親近感が湧いて楽しみながらお話を伺うことができます。
玉若酢命神社
島根県隠岐郡隠岐の島町下西713
御朱印あり(億岐家住宅にて)
駐車場あり、トイレあり
壇鏡神社
那久川の上流に建てられた「壇鏡神社(だんぎょうじんじゃ)」。神社の両脇にある高さ約50mの雄滝と約40mの雌滝の2つの滝が流れ落ちることで有名です。駐車場に車を停めて鳥居をくぐり、川沿いの山道を進んで行くと滝と神社に辿り着きます。砂利道を歩く足音以外は水の流れる音や風の音、時折聴こえる鳥のさえずりなど自然の音に包まれ、山の中ならではのマイナスイオン溢れる雰囲気を満喫できます。駐車場まで細い道のりが続くので、安全に注意して運転をしましょう。不安な方はツアーや観光タクシーの利用もおすすめです。
伊勢命神社
島根県内に6社しかない明神大社のうちの1つ「伊勢命神社(いせみことじんじゃ)」。主祭神に隠岐独自の神 伊勢命を祀り、焼失や再建などを経て現在の場所に遷座しました。鳥居の左側にある神楽殿は隠岐で1番古くからの歴史があり、国・県の無形民俗文化財に指定されている「島後久見神楽(どうごくみかぐら)」が奉納されます。夜通し2畳ほどの狭い空間で舞う古い形の舞いは、地元の方々によって今も伝承されています。
中ノ島の神社
宇受賀命神社
島前最大の隠岐造の神社「宇受賀命神社(うづかみことじんじゃ)」。正面には田んぼが広がり、背後を山に包まれた独特の雰囲気を放つ美しい神社です。由緒ある明神大社で、大漁祈願をする「あご石神事」では飛魚に見立てた石を撒くめずらしい形の神事が残されています。
中ノ島の奈伎良比賣神社と西ノ島の比奈麻治比賣命神社の3社にまつわる、土地と文化が繋がるおもしろい言い伝えが残されています。
西ノ島の神社
由良比女神社
イカ寄せ浜の前に建てられ、イカ寄せ伝説が残る「由良比女神社(ゆらひめじんじゃ)」。西ノ島唯一の明神大社で、平安末期には隠岐国一宮に定められています。イカ姫と呼ばれることもあるほどイカとの縁があり、境内には様々な場所にイカなど海にまつわる装飾が施されているので、細部までよく見て楽しんでみてください。2年に1度開催される「由良比女神社の大祭」では神輿を漁船に乗せ、船の上で神楽を奉納する船上神楽の文化が伝承されています。また、海の近くにありつつも境内は緑に包まれている雰囲気も素敵です。
由良比女神社
島根県隠岐郡西ノ島町浦郷922
御朱印あり(別府港ターミナル内にある西ノ島町観光協会にて)
駐車場あり、トイレあり
国賀神社
国賀海岸のほとりに建てられた小さな神社「国賀神社(くにがじんじゃ)」。手水舎などはありませんが、断崖絶壁に包まれるように造られた祠はこの神社ならではの光景です。由縁など詳細は不明ですが、海の側で国賀海岸を見守っていることが分かります。国賀浜を訪れる際は、ぜひ合わせて参拝してみてはいかがでしょうか。
国賀神社
島根県隠岐郡西ノ島町浦郷
駐車場あり、トイレあり
知夫里島の神社
天佐志比古命神社
知夫里島唯一の式内小社「天佐志比古命神社(あまさしひこみことじんじゃ)」。地元の方々には一宮(いっくう)さんと呼ばれ親しまれ、鳥居の扁額にも「一宮神社」と記されています。神社の先には主祭神 天佐志比古命が最初に降り立った場所だと言い伝えられている無人島の神島があり、今も神聖な場所として知られています。
全国でも知夫里島と淡路島にしかない、神社の境内に野外の観覧席があります。舞台中央が丸く切られて回すことができる廻り舞台と言われる歌舞伎の舞台が備わった芝居小屋では、2年に1度開催される夏季例大祭で島前神楽や「白波五人男」という歌舞伎が村民によって演じられます。
天佐志比古命神社
島根県隠岐郡知夫村1018
御朱印あり(来居港フェリーターミナル内にある知夫里島観光協会にて)
最後に
今回は隠岐諸島に数ある神社の中から、初めて隠岐を訪れる方にもおすすめの神社から穴場の神社までぜひ訪れてほしい神社を厳選してご紹介しました。神社や地域、島ごとに似ている部分と特色ある部分がそれぞれ見えてくると、より興味深くおもしろい発見もあるのではないでしょうか。実際に今回は地元ガイドの方と巡ることができたので、見るだけでは分からない地域の情報や歴史背景なども伺うことができ、とても興味深く楽しむことができました。また、島前の3島は内航船を使ってお得に周遊することが可能です。ぜひ隠岐諸島へ旅行に行く際はツアーに参加することも視野に入れつつ、この記事を参考にしてみてくださいね。