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島根

隠岐を巡る2泊3日のモデルコース!絶景だけじゃない秋でも楽しめる島の魅力♪

2022.09.16

隠岐を巡る2泊3日のモデルコース!絶景だけじゃない秋でも楽しめる島の魅力♪

島根半島から海を渡った先に浮かぶ隠岐諸島(おきしょとう)は、島後(どうご)と呼ばれる隠岐の島町(おきのしまちょう)と、島前(どうぜん)と呼ばれる西ノ島、中ノ島、知夫里島(ちぶりじま)の4つの有人島とその他の島々で構成されています。隠岐諸島には多くの神社仏閣があり、隠岐独自の神様を祀った隠岐造と呼ばれる独特な建築方法など、今も地域に根付いた文化が残されています。

りとふるでは、隠岐ならではの神社仏閣と、自然が造り出したダイナミックかつ繊細な今見ておきたい隠岐諸島の絶景を2泊3日で満喫してきました。神社を巡りながら絶景を楽しむことで、隠岐の地形と神社の歴史や人々の暮らしが繋がる部分も見えてきましたよ。今回は秋の旅行にもおすすめの隠岐諸島の神社仏閣と絶景スポットをご紹介します。

#隠岐 観光スポット #ユネスコ世界ジオパーク #大山隠岐国立公園 #御朱印
撮影:りとふる編集部



隠岐諸島について

知夫里島_赤ハゲ山_220907

火山活動によってできた島々からなる「隠岐諸島(おきしょとう)」は、4つの有人島と約180もある無人島の島々で構成されています。島後水道を境に京から見て手前の西ノ島(西ノ島町)、中ノ島(海士町)、知夫里島(ちぶりじま・知夫村)の3島を島前(どうぜん)、奥を島後(どうご)と呼びます。

隠岐諸島へは、なんだか行きづらそう…と思う方もいるかもしれません。しかし、実際には訪れやすいように交通網が整備されているので、2泊3日など比較的短期間でも4島を周遊することが可能です。

天皇も迎え入れられる土壌の島

中ノ島_後鳥羽天皇御火葬塚_220907

隠岐の島々というと、後鳥羽上皇や後醍醐天皇の島流しの地というイメージを持つ方も多いかもしれません。島流しをされる場所と聞くと、マイナスイメージが強いかもしれないですが、隠岐に流されたのには遠い島ということ以外にも理由があります。

当時の島流しは、貴族など身分の高い人々を遠くへ送るためでした。いくら島流しになったとはいえ、高貴な身分の人を存外に扱うとバチが当たると恐れられ、遠流の地でも生活を保障する必要があったそうです。その点で隠岐は京から物理的に離れているものの、田んぼが多く米が採れるため食事面でも経済的にも比較的生活が豊かで、古くから京でも知られていたことから遠流の地に選ばれたと言われています。

また、今も続く牛突きの文化は、当時の中ノ島で牛が角を合わせている様子を見た後鳥羽上皇が喜んだことから始まったと言われています。それが島後にも伝わり、今でも島後ではお祝い事の際に牛突き大会が行われています。

1日目:隠岐諸島最大の島後

島根県と言えば出雲大社が有名ですが、隠岐諸島にもたくさんの由緒ある神社仏閣があることをご存知でしょうか。今回は隠岐諸島の4島を周遊しながら、神社仏閣と絶景を巡ってきました。知れば知るほどおもしろい隠岐独自の文化や絶景の中でも特に印象に残ったスポットをご紹介します。

隠岐・島後の総社「玉若酢命神社」

島後_玉若酢神社_220907

まず最初に訪れたのは、隠岐の総社でもある隠岐最古の神社「玉若酢命(たまわかすみこと・たまわかすのみこと)神社」。フェリーが着く西郷港から車で約5分の距離にあるので、ぜひ訪れてほしい神社です。

 

島後_玉若酢命神社_220913

かつて隠岐には300もの神社があり、それぞれを回るしきたりがありました。しかし、役人が300もの神社を回るのは大変だということで、「玉若酢命神社」を訪れたら300あるすべての神社を回ったことにするという便利な総社という制度ができたそうです。

島後_玉若酢神社_220907

隠岐国総社である「玉若酢命神社」は、延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)という神社の格付けリストのようなものの中で、式内社として記載されている由緒正しき1000年以上の歴史がある神社です。国指定重要文化財である「随神門(ずいしんもん)」や、御神木の「八百杉(やおすぎ)」など見どころもたくさんあります。

合わせて読みたい「玉若酢命神社」についてはこちら

 

隠岐国の一宮「水若酢神社」

島後_水若酢神社_220907

かつての隠岐国の中で最も社格が高いとされる一宮である「水若酢(みずわかす)神社」。延喜式に名神大社と記載されている「水若酢神社」も隠岐造で建てられた神社で、主祭神の水若酢命は玉若酢命と兄弟神だと言われています。

島後_水若酢神社_220907

名前からも推測できるかもしれませんが、島後は水が多く涌く島だったと言われ、川も多くあり、今も田んぼでお米が作られています。ちなみに、水と米が豊富な場所なので、おいしい日本酒も作られていますよ。

合わせて読みたい「水若酢神社」についてはこちら

 

曇りでも楽しめた「ローソク島遊覧船」

島後_ローソク島_220907

1日目の締めくくりは、「ローソク島遊覧船」に乗って日本海の大海原と断崖や奇岩を見学しました。今回はあいにくの曇り空で「ローソク島」に火(陽)が灯る光景は望めませんでしたが、船長さんがガイドをしながら海上を巡ってくれて、ローソク島を間近で見たり、狭い岩と岩の間を通ったりしてとてもおもしろい体験でした。ローソク島の根本はどんどんと浸食されて、少しずつ細くなってきているそうです。しかし、隠岐の方も言われていましたが、その変化も含めて自然が造り出した不思議で魅力的な光景だと思いました。ぜひ「ローソク島」を見られるうちにリベンジをしに行きたいです。

合わせて読みたい「ローソク島」についてはこちら



2日目:島前を周遊!中ノ島と知夫里島

隠岐諸島_フェリーしらしま_220907

2日目は島後から、まずはフェリーに乗って島前の海士町「中ノ島」へ。島後から島前への移動はフェリーだとたった1,600円で渡ることができます。島から島に渡る景色を眺めながら船内で過ごしていると、あっという間の約1時間20分の乗船でした。

今注目の海士町「中ノ島」

中ノ島_菱浦港_220907

中ノ島に着港の際、まず最初にフェリーから見える港の景色が独特で驚きました。ウッド調のおしゃれな雰囲気で、上陸して建物の中に入ってみてもとてもおしゃれです。

中ノ島_菱浦港ターミナル内_220907

フェリーターミナル内に図書スペースやお土産屋、鮮魚店なども入っていて、町のコミュニティスペースのような空間でした。

後鳥羽上皇ゆかりの地「隠岐神社」

中ノ島_隠岐神社_220907

船が着く菱浦港から車で約10分の距離にある「隠岐神社」。後鳥羽上皇が島流しとして中ノ島に訪れた際に行在所として過ごした「行在所跡」や御火葬塚のすぐ隣の敷地にあり、後鳥羽上皇を主祭神とする神社です。2021年は後鳥羽上皇がこの地に訪れて800年という節目の年で、広い境内に整然と建てられている拝殿がとても美しい印象でした。

中ノ島_隠岐神社_220907

隠岐神社では、春は参道に植えられた桜並木や冬の雪景色など、四季折々の植物や景色を楽しめるそうですよ。

中ノ島_白浪_220907

こちらは、海士町の伝統的なお土産として知られている「白浪(しらなみ)」というお菓子。なんと、当時は後鳥羽上皇に献上されたお菓子で、今も完全手作業で製造されているというから驚きです。白浪と名付けられた由縁ともいえる外側の白い部分のしゃりしゃり感と、中に包まれたあんこの素朴な甘さがなんだか懐かしいような味でした。隠岐神社のすぐ近くのお店や島内のお土産屋などで購入することができます。

知夫里島の絶景「赤ハゲ山」

隠岐諸島・島前_内航船いそかぜ_220907

次は「中ノ島」の菱浦港から内航船に乗って「知夫里島」の来居港へ移動します。内航船は約1時間に1便程度の運航で約25分の乗船なので、島前間は比較的移動しやすそうな印象でした。船のデッキ部分で潮風を浴びながらの移動は島旅感満載です。

知夫里島_赤ハゲ山_220907

「知夫里島」に着いて、まずタクシーで向かったのは、標高325mと島内で1番標高の高い「赤ハゲ山」。数字だけで見ると一見そんなに高い印象を受けないのですが、実際に訪れてみると360度海や周囲の島々を見渡すことができるとても景色の良い場所でした。晴れて霞のない日には島根半島の大山まで見えるそうですよ。

知夫里島_赤ハゲ山・牛_220907

頂上にある展望台からの景色もやはり絶景。まさに大パノラマを見渡すという言葉がぴったりです。また、頂上に向かうまでの道には放牧された牛や馬が自由に過ごしていて、道を塞いでいることも。間近で見る牛はのんびりとしていても迫力がありました。撮影する際は牛を驚かせてしまわないように、気を付けてくださいね。



3日目:海上を守り神話が残る「西ノ島」

西ノ島_知夫里島から見た焼火山_220907

「知夫里島」の菱浦港から「西ノ島」の別府港までは内航船で約25分。まずは、知夫里島の菱浦港からも見えていた「焼火山(たくひやま・たくひさん)」に向かいます。

島前の中央に建てられた「焼火神社」

西ノ島_焼火神社_220907

島前3島の中央にある「焼火山」には、その中腹に建てられた交通安全・海上安全の神様が祀られている「焼火神社」があります。火山が噴火して約50万年後に隆起してできた「焼火山」は、周りの地域とは地質や岩質が異なるそうです。整備された道をずっと歩き進めると「焼火神社」の鳥居に辿り着きます。

西ノ島_焼火神社_220907

この岩場に包まれるように建てられているのが「焼火神社」の御本殿です。1732年(享保17年)に建てられ、隠岐諸島最古の木造建築だと言われています。

西ノ島_焼火神社_220907

「焼火神社」には、海上から3つの火の玉が上がって火が灯ったという神話が残されていて、その火が灯台の役割をしたと言われ、神紋はその3つの火の玉を表しているそうです。この3つの火の玉は隠岐汽船のマークにもされ、今でも「焼火山」の前を通過する際は船が汽笛を鳴らすそうです。

ちなみに、隠岐の島々では紅葉を見ることが少ないそうですが、「焼火山」には広葉樹が多いので紅葉も見られるそうですよ。これからの秋の観光にもぴったりですね。

隠岐諸島を訪れて…

ジオパークにも認定されている隠岐諸島。それぞれの島々の神社を巡る中で、知れば知るほど島やその土地の成り立ちと神社・信仰が結び付いていることが分かり、とても興味深い経験をすることができました。書物に残された記録が少なく、言葉でのみ伝承されている内容や、一般的な史実と地元での伝承の違いなど歴史に余白があるのも隠岐の魅力の1つではないでしょうか。また、自然が造り出したダイナミックかつ繊細な景色は、もしかするといつかは見られなくなってしまうものもあるかもしれません。しかし、人間の手が加えられていないからこその魅力があり、今見ておきたい隠岐諸島の景観だと感じました。

ぜひ実際に訪れて景色を楽しみ、風や空気感、匂い、音とともに地元の方から話を聞きながら隠岐諸島の魅力やおもしろさを体感してみてくださいね。

 

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