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島根

【ローソク島】奇岩の先端に夕日が灯る隠岐諸島の景勝地

2023.01.26

【ローソク島】奇岩の先端に夕日が灯る隠岐諸島の景勝地

島根半島沖に浮かぶ4つの有人島とその他の島々から構成されている隠岐(おき)諸島のうち、隠岐の島町の「島後(どうご)」では無人島の先端部分に夕日が灯る「ローソク島」を見ることができます。これは遊覧船に乗った人だけが見ることができる光景で、隠岐諸島で有名な景勝地の1つです。実際にローソクに火が灯る様子を見るには天気や海峡など様々な条件が合う必要がありますが、曇りの日はどうなるのか、見られる季節は決まっているのか、遊覧船の料金などの疑問もあると思います。今回は「ローソク島」の魅力や遊覧船の乗り方、様々な疑問から撮影のコツまで一気にご紹介します。

#島根県 離島 #隠岐 観光 #隠岐 アクティビティ #ローソク岩
撮影:りとふる編集部



隠岐の島町・島後とは

島後_隠岐の島町油井風景_230125

島根半島沖に浮かぶ島前(どうぜん)と島後(どうご)と呼ばれる4つの有人島と大小約180ほどの無人島からなる隠岐諸島は、ユネスコの世界ジオパークに認定された大自然に囲まれた雄大な景色や独自の生態系、それにまつわる歴史や文化など様々な魅力があります。火山活動によってできた隠岐諸島には、多くの無人島や奇岩、海の波風によって削られた崖などの海食崖などダイナミックな見どころがいくつもあります。小島の先端部分に夕日が灯る「ローソク島」も島後沖にある奇岩の1つです。

ローソク島を見るには

島の玄関口となる西郷港(さいごうこう)や隠岐空港の反対側、島の北西部の沖合に「ローソク島」は立っています。小島の細くなった先端に夕日がちょうど沈む姿がまさにローソクに火を灯すように見える「ローソク島」。島後有数の景勝地ですが、実はローソクに火が灯る様子は遊覧船に乗った人だけが見ることができる絶景です。小型の遊覧船でローソク島まで向かうため、その日の海峡次第では出航できなかったり、出航しても雲で夕日が見られないこともあるので、しっかりとローソクの姿を見ることができた方はとてもラッキーです。

遊覧船に乗らない方は

ローソク島の遊覧船は事前予約が必要です。予約を忘れてしまった方や体調など様々な理由で遊覧船に乗ることができない方は、ローソク島を見下ろす展望台から眺めてみるのもおすすめです。2つの展望台が整備されている「尾白鼻園地(おじろばなえんち)」には、駐車場から歩いてすぐの「ローソク島第一展望所」と、840mほど歩いて高台から下って行く「ローソク島第二展望所」があります。展望台からだと夕日がローソク島に重なる様子は見られませんが、海に立つローソク島の形を眺めることができますよ。



遊覧船に乗ってローソク島へ!

ローソク島に行くための遊覧船は事前予約が必要ですが、日没時間によって出航時間が決まるので、乗船当日に出航時間や出航場所についての電話連絡があります。ローソク島に行く船が出航する港は赤崎岸壁と福浦岸壁の2か所あり、それぞれ車で10分ほどの距離です。当日の電話連絡時にどちらから出航するのか忘れずに確認をしてくださいね。

島後_ローソク島遊覧船_230125

今回は福浦岸壁から乗船しました。福浦岩壁には6隻ほどの船が並んでいます。乗船時間の30分前までに港へ行き、乗船する船の前で乗船手続きを行います。

福浦岩壁には簡易的な休憩所とトイレがあるので、出航前に済ませておきましょう。ちなみに、休憩所の中には「ROWSOKUN」というローソク島のキャラクターがいる小さな売店があります。まるで有名コンビニのような見た目が密かに話題となっています。

島後_ローソク島遊覧船②_230125

時間になったので船に乗り込みます。小型船ですが、船・ライフジャケットともにとてもきれいに整備されているので安心して乗船することができました。また、船酔いが心配な方は乗船前に酔い止め薬を飲んでおくと安心ですね。

島後_ローソク島遊覧船③_230125

いよいよ港を出発してローソク島へ向かいます。出航時は曇り空でしたが、船が進みだすと太陽も出てきて期待が高まります。太陽の見え隠れで岩肌や山、海の色がどんどんと変化していく様子もおもしろかったです。

島後_ローソク島遊覧船・福浦洞門(トンネル)_230125

こちらの格子状に見えるのは「福浦洞門(トンネル)」の一部です。明治初期、後期、昭和後期と3つの時代にそれぞれの技術を使って掘られたことから“福浦の三代トンネル”とも呼ばれています。今は立ち入り禁止になっていますが、つい最近までは実際に彫られたトンネルを通ることができたそうですよ。

島後_ローソク島遊覧船・海食崖_230125

ローソク島に着くまでも船の上から至る場所に波風で削られてできた洞窟状の穴などを海上から見ることができます。昼に島後の高台から海を見渡していたと思うと、不思議な感覚になりました。濃いエメラルドグリーンの海が波しぶきを上げると、海がとても澄んでいることが分かりました。

島後_ローソク島遊覧船③_230125

こうして船長からの説明を聞きながら遊覧船から様々な洞窟や奇岩などを見ているうちに、いよいよローソク島が目の前に現れてきました。裏側へ回って夕日が落ちるタイミングを待ちます。この上部の先端に夕日が沈むように、ベテラン船長が船を少しずつ移動させ、撮影のベストポジションに船を運んでくれます。

しかし、この日は残念ながら再び厚い雲が出てきてしまい、ローソク島に火が灯る様子を見ることはできませんでした。その代わりに、周辺の奇岩の回りを周遊してくれたので、ローソク島以外の興味深い岩々についても少しだけご紹介します。

・鉄砲岩

島後_ローソク島遊覧船・鉄砲岩②_230125

まず、最初に見えるのが「鉄砲岩」です。その名の通り、岩の形が鉄砲のように見えることから名付けられました。

島後_ローソク島遊覧船・鉄砲岩_230125

こちらの鉄砲岩は見る角度を変えるとコブがたくさんあるような形をしています。見る角度によって、このように形が違って見えるのはおもしろいですよね。

・馬背岩

島後_ローソク島遊覧船・馬背岩②_230125

次に、こちらは「馬背岩」です。カメラに納めきれないほど大きな岩で、上部には植物が生えています。

島後_ローソク島遊覧船・馬背岩_230125

こちらの馬背岩の特徴は、2つに開いた縦長の穴です。海の波や風が削ってできた海蝕洞と溶岩やマグマが冷えて固まる際にできた柱状節理(ちゅうじょうせつり)という柱状の岩のコラボレーションで、これも火山島である隠岐諸島ならではの光景です。

島後_ローソク島遊覧船・鉄砲岩ローソク島馬背岩_230125

鉄砲岩と馬背岩の間からちょうどローソク島を見ることができます。この3つを同時に写真に納めることができるのはほんの一瞬なので、うまく撮れた人はラッキーです!と言われましたが、船長の操縦が抜群だったので、一緒に乗船した方々もきれいに撮影することができていました。

島後_ローソク島遊覧船・海食崖②_230125

この他にも狭い岩と岩の間を通ったり、浅瀬の海の色の変化を楽しんだり、帰り道はアトラクションのようなスピード感を楽しんだりと、ローソクに火が灯る光景は見られなかったものの、楽しい時間を過ごすことができました。

島後_ローソク島遊覧船・馬背岩③_230125

また、写真では分かりづらいのですが、海の色がとてもきれいでした。透明度も高く、岩場の近くなどの浅瀬や波しぶきが立つ部分では、より一層その色の美しさを見ることができました。島後ではダイビングなどのマリンアクティビティも楽しめるので、次回はチャレンジしてみようと思います。

ローソク島を見られるのは今だけ?!

島後_ローソク島②_230125

ローソク島は波の浸食によって徐々に根本の部分の岩が細く削られてきているそうです。これからも細くなり続け、いつかは折れてしまうかもしれません。しかし、「折れてなくなってしまうのも含めて自然が織り成す景色なので、ぜひ今あるこの景色を見に来てくださいね」と言われていましたよ。

ローソク島をきれいに撮影をするコツ

ローソク島をカメラで撮影する際のコツをいくつかご紹介します。遊覧船でローソク島まで行くと、観光パンフレットなどで見るような素敵な写真を撮影できるかもしれません。ただし、潮風で波しぶきを浴びる可能性もあるので、撮影機材は防水対策をしていくのがおすすめです。船に乗って撮影するチャンスはそう多くはないからこそ、ぜひ事前準備をして最高の1枚を撮影してくださいね。

①カメラで撮影をする
1つ目は、1番オーソドックスなカメラで撮影をする方法です。夕日の撮影では絞り優先の設定で撮影をする方も多いかもしれませんが、船の上から撮影をするので多少の揺れは生じます。そのため、シャッタースピードをなるべく早く設定するとぶれずに撮ることができますよ。今回、乗船した際は1/500で撮影をしました。また、船をかなり近くまで寄せてくれるので、望遠レンズではなく標準レンズで撮影ができます。最近はスマートフォンのカメラの画質もきれいなので、スマートフォンのみでも撮影ができるほどでしたよ。

②動画撮影から切り取る
2つ目は、動画で撮影をして後からきれいな部分を切り取る方法です。こちらの方法は静止画として切り取ると多少画質が荒くなってしまいますが、カメラの設定を変えたりするのが苦手・不安な方にとっては安心して臨めるかもしれません。また、1度ピントが合えば、その後は肉眼でゆっくりとローソク島を眺めることができるのもうれしいポイントです。

③連写する
最後の3つ目は、連写する方法です。今回乗船した船長のおすすめは連写撮影でした。こちらも動画同様、たくさんある写真の中からきれいに撮れたものを選ぶことができますね。



ローソク島への行き方

島の玄関口となるフェリーや内航船が着く西郷港(さいごうこう)や隠岐空港の反対側、島の北西部の沖合に「ローソク島」は立っています。遊覧船は福浦岸壁(港)または赤崎岸壁(港)から出航するので、港までは各自で車で移動をしてください。どちらの港も駐車場は無料です。予約した船の前で乗船手続きと支払いを行い、予定時刻になったら乗船をします。待合所やトイレは福浦岸壁にしかないので、赤崎岸壁集合の場合は福浦岸壁で準備をしてから向かうと良いでしょう。

西郷港~福浦岸壁・赤崎岸壁…車で約40分
隠岐空港~福浦岸壁・赤崎岸壁…車で約45分
福浦岸壁~赤崎岸壁…車で約10分

ローソク島遊覧船に乗るには

先述した通り、遊覧船に乗るには事前予約が必要です。隠岐の島町観光協会に電話で予約、またはアプリからの予約が可能です。
詳細は隠岐の島町観光協会ホームページをご確認ください。また、その日の運航状況については隠岐ジオパーク推進機構ホームページからも確認ができます。

ローソク島遊覧船

福浦岸壁(港):島根県隠岐郡隠岐の島町北方2003
赤崎岸壁(港):島根県隠岐郡隠岐の島町南方

08512-2-0787(隠岐の島町観光協会)

開催期間:3月15日~11月30日
体験料金:大人3,000円、子ども1,500円
駐車場:無料
待合所・トイレ:福浦岸壁のみあり

公式ホームページ(隠岐の島町観光協会)

 

最後に

大自然が造り出した絶景「ローソク島」についてご紹介しました。もしかすると、いつかは見られなくなってしまう光景かもしれないと思うと、より一層貴重な体験だと実感します。ぜひ、次回は火が灯る光景を見にリベンジしたいと思います。ローソク島遊覧船に乗船後は日が暮れて一気に暗くなるので、宿まで安全運転で向かうようにしてくださいね。

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