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沖縄本島周辺

【伊平屋天巌戸神社】日本最南端の天岩戸伝説が残る神社

2022.10.19

【伊平屋天巌戸神社】日本最南端の天岩戸伝説が残る神社

全国各地に伝わる天岩戸伝説ですが、その伝説が残る日本最南端の地が沖縄県最北端の離島「伊平屋島(いへやじま)」にあります。伊平屋島は太陽神を表す“てるしの”の島と称され、その中でも神秘的な光が差し込むクマヤ洞窟は特に神聖な場所として島内外から祈りに訪れる方がいるほどの聖地です。そんな伊平屋島に新たに建てられたのが「伊平屋天巌戸神社(いへやあまのいわとじんじゃ)」です。なぜ新しく神社が建てられたのか、どのような神社なのか、御朱印はいただけるのかなど気になることが多い方もいるのではないでしょうか。今回は日本最南端の天岩戸伝説の残る伊平屋島にある「伊平屋天巌戸神社」の魅力や行き方についてご紹介します。

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撮影:りとふる編集部



伊平屋島について

沖縄本島北部に浮かぶ、沖縄県最北端の有人島「伊平屋島(いへやじま)」。カラフルな珊瑚礁やきれいな海と真っ白な砂浜が有名で、シュノーケリングをする人やダイバーたちに人気がある自然豊かな離島です。また、伊平屋島には山がいくつも連なり高台から海を見渡せるスポットなど、海以外の魅力も豊富です。築城者が未だ不明な田名(だな)城跡の麓にある田名神社や、天照大神が隠れていたとされるクマヤ洞窟もその1つです。

伊平屋島_クマヤ洞窟

伊平屋島は島自体が“ノロ”と呼ばれる、沖縄で祭祀を司る女性たちが修行に来る島としても知られ、その中でも特に神聖な場所の1つがクマヤ洞窟です。那覇からバスや車で沖縄本島を北上し、さらに運天港から船で渡る必要があるためアクセスしづらいように思える場所でありながらも、島内外から参拝する人が訪れ、今も地元の方をはじめ沖縄の方々に大切に崇拝されています。

伊平屋天巌戸神社とクマヤ洞窟

伊平屋島_念頭平松_220607

伊平屋島の北部に位置する「伊平屋天巌戸(あまのいわと)神社」は、2017年に田名集落のさらに北に建てられました。沖縄本島の那覇市奥武山公園内にある沖宮(おきのぐう)の末社にあたり、沖縄2大名松として知られる伊平屋島にある国指定天然記念の念頭平松(ねんとうひらまつ)という大きなリュウキュウマツを御神木としています。

伊平屋島_クマヤ洞窟_220603

そもそも、天岩戸伝説とは日本神話では有名で、太陽神である天照大神が岩でできた洞窟に隠れたことで世界が真っ暗になったというものです。日本各地でその神話の舞台だという説が唱えられていますが、最南端の地が伊平屋島北部にあるクマヤ洞窟で、それも納得してしまうほどの神秘的な光景を今も見ることができます。

伊平屋天巌戸神社はなぜ建てられた?

伊平屋島には天岩戸伝説が残るクマヤ洞窟が今も聖地として大切に残されているのにも関わらず、なぜ新たに「伊平屋天巌戸神社」が建てられたのでしょうか。

伊平屋島_伊平屋天巌戸神社②_221018

クマヤ洞窟内部には、かつてお宮が建てられていました。しかし、近年はお宮が朽ちてしまい台座のみになっていたため、新たに建て直すことになったそうです。では、なぜ同じクマヤ洞窟の内部に建て直さなかったのでしょう。

それは今も御嶽(うたき)など祈りの文化を大切に守る沖縄の優しい思いも関係しています。クマヤ洞窟の内部にある神を祀り、祈りを捧げる拝所(うがんじゅ)と呼ばれる台座に行くには、長い階段を上って足場の悪い狭い岩の隙間を通って洞窟の中に入っていく必要があります。そして、海から運ばれた砂が積もる洞窟の中に台座があります。

伊平屋島_伊平屋天巌戸神社④_221018

伊平屋島_伊平屋天巌戸神社③_221018

参拝する方の中には高齢の方も多く、そこまで祈りに行くのは大変です。そのような参拝者のためにも、参拝に訪れやすいクマヤ洞窟の外に神社が建てられたというのも1つの大きな理由だそうですよ。

伊平屋島_天巌戸神社

このような経緯があって2017年12月に遷座祭を執り行い、天照大神をクマヤ洞窟から「伊平屋天巖戸神社」へ遷座されました。クマヤ洞窟と同様に「伊平屋天巖戸神社」は今も大切にされ崇拝されている聖地なので、節度を持って訪れてくださいね。

伊平屋島_念頭平松_220607

また、御神木とされている念頭平松は、樹齢約280年と言われる伊平屋島のシンボル的な存在です。念頭平松は「伊平屋天巌戸神社」の横の敷地にあるので、ぜひ合わせて訪れてみてください。枝を広げるその姿は、本物を見た方がより大きさや凛とした空気を感じられると思います。ちなみに、御朱印は沖縄本島の那覇市奥武山公園内にある沖宮でいただくことができるそうですよ。



伊平屋天巌戸神社への行き方

フェリーが到着する伊平屋島の前泊港から車で約10分、田名集落を通って両脇に畑を眺めながらさらに北へ進み、「念頭平松公園」の看板の手前を山側に進むと到着です。通りよりも1本奥に位置しています。

伊平屋天巌戸神社

沖縄県島尻郡伊平屋村田名

 

伊平屋島への行き方

伊平屋島行き方・アクセス
伊平屋島へは、沖縄本島北部の今帰仁村にある運天港からフェリーで約1時間20分の船旅で渡ることができます。那覇から運天港まではバスまたはレンタカーで行き、民間の駐車場に停めるのが一般的です。

伊平屋島の詳しい行き方については、こちらの「伊平屋島・野甫島への行き方」をご覧ください。

最後に

今回は沖縄県最北端の伊平屋島にある「伊平屋天巌戸神社」についてご紹介しました。沖縄といえば琉球王国という固有の開闢神話が代表的で、それにまつわる御嶽などは多いですが、天照大神にまつわる伝説があるのは沖縄の中ではめずらしいのではないでしょうか。新たに「伊平屋天巌戸神社」が建立されたのには神を崇拝する思いとともに、参拝する方への思いやりや優しさなども感じられたのが印象的でした。美しい海だけではなく歴史や文化と自然の繋がりについても目を向けてみると、新たな魅力を見つけられるかもしれません。もし訪れた際に参拝されている方がいたらタイミングをずらして訪れるなど、節度を持ってお邪魔させていただきましょう。

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