島根
【那久岬】隠岐の島町から島前島後を見守る2つの灯台
島根半島から海を渡った先に浮かぶ、島前（どうぜん）と島後（どうご）と呼ばれる4つの有人島とその他の島々で構成されている隠岐諸島（おきしょとう）はユネスコの世界ジオパークに認定されていて、2022年12月に再認定されました。その中でも島後（どうご）と呼ばれる隠岐の島町（おきのしまちょう）にある「那久岬（なぐみさき）」は高台から島前の島々を見渡すことができる人気の展望スペースで、隠岐諸島の絶景を楽しめます。今回は水平線や灯台も一望できる「那久岬」について見どころや行き方をご紹介します。
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撮影：りとふる編集部
隠岐諸島と島後について
島根半島沖に浮かぶ隠岐諸島は、4つの有人島と約180もの無人島の島々からなり、島後水道を境に京から見て奥に位置する隠岐の島町を島後（どうご）と呼びます。2015年に「ユネスコ世界ジオパーク」に認定され、2022年には4年に1度行われる再認定審査にも合格して再認定されました。島後は隠岐諸島最大の島で、自然が造り出したダイナミックかつ繊細な見どころが多くあります。
島前を見渡す大パノラマビュー「那久岬」
島後の西端部にある「那久岬（なぐみさき）」は、高台から海や島々を一望できる人気観光スポットの1つです。駐車場が高台にあるので、車を降りるとすぐ視界に大パノラマの景色が飛び込んできます。展望スペースも駐車場の目の前にあるので、歩くのが苦手な方でも気軽にこの絶景を楽しめるのもうれしいポイントです。
真後ろにはこちらに来るまでに車で通ってきた道がありますが、およそ270度の景色を見渡すことができます。目の前にはパノラマビューが広がり、広い水平線をぐるっと楽しむことができました。昼間の景色はもちろん、夕陽や漁火など離島ならではの美しい光景を1日を通して眺めることができるそうですよ。
岬の先端にある灯台
岬の先端部には白亜の灯台が建てられ、高台から見下ろすととても小さく見えます。展望スペースもある駐車場から遊歩道の階段を下って進んで行くと展望台へ行くことができます。途中、放牧されている牛たちを見ることができるのも隠岐諸島ならではの光景です。
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今回は時間の都合で展望台までは行くことができませんでしたが、展望スペースからも牛を見つけることができました。
旧那久埼燈台と風待ちの岬
展望スペースの横には石造りの「旧那久埼燈台」が残されています。こちらは明治末期に設置された歴史のある灯台で、昭和初期頃まで実際に島後水道を通る船舶の安全の道しるべとして灯りを灯していたそうです。取り壊す声などもあったようですが、この歴史を残そうと地元の方々などによって保存されています。この場所から海を見守っていたと思うととても趣がありました。こちらから見える海は古くから海上交通の要となり、遠く朝鮮に渡る際にも使われたと言われています。その際に海の時化を待つための“風待ちの岬”として利用されていました。そのことから海が凪ぐ（なぐ）のを待つ岬が由来となって、「那久岬」と呼ばれるようになりました。
天使のハシゴが見える岬
那久岬では“天使のハシゴ”を見ることができる場所としても知られています。“天使のハシゴ”とは、雲の隙間から太陽光が降り注ぎ、まるで天から光のハシゴが下りてきているかのように見える薄明光線と呼ばれる現象のことで、隠岐の中でも那久岬はその地形的なポイントが揃い、“天使のハシゴ”がよく見られる場所だそうです。国境離島である隠岐で神秘的な光景を見ることができた方はラッキーですね。
那久岬への行き方
「那久岬」へは島根半島からの船が着く西郷港から車で約40分、隠岐ジオパーク空港から約40分の場所にあります。島の西側にあるので夕日スポットとしても知られていますが、日没後は周辺に灯りがないので安全に気を付けて訪れてくださいね。
西郷港～那久岬…車で約40分
島後への行き方
隠岐諸島へは飛行機、フェリー、高速船で渡る方法があります。船は島根県本土の七類港（しちるいこう）と鳥取県本土の境港（さかいこう）の2ヶ所から出航しています。運航スケジュールや港までの交通面で検討すると良いでしょう。
最後に
島後と呼ばれる隠岐の島町の絶景スポット「那久岬」についてご紹介しました。港や空港から離れた西側にありますが、訪れた人にしか感じることのできない大パノラマビューを全身で感じることができますよ。ぜひ時間に余裕を持って、訪れてみてくださいね。
