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父島 母島 移住|異業種でのスキルが島に役立つ!小笠原諸島からSDGsと地域創生で事業拡大中
東京から南へ約1,000kmの広大な太平洋に浮かぶ小笠原諸島は、日本屈指の自然豊かな地域であり、独自の固有種が生息していることから2011年に世界自然遺産登録されました。
小笠原グリーン株式会社は父島(ちちじま)と母島(ははじま)を中心に、小笠原諸島の公園管理、無人島などの環境保全、環境教育の推進など様々な事業を行っています。独自プロジェクトなどの事業拡大に伴い従業員を募集しています。
環境保全だけに留まらず、島しょ地域の魅力発見とブランド化に向けた取り組みを地域を巻き込みながら行い新しい経済価値の創出を目指し、今後のビジョンに向けても進んでいます。
今回は、事業責任者の横山さんと従業員の皆さんにお話を伺いました。
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画像提供:小笠原グリーン株式会社
Contents
世界遺産の島の環境保全と島全体の活性化
当社は地域課題解決を企業テーマに小笠原諸島が日本に返還された5年後に設立し、戦後でインフラ整備がされていなかった島全体のインフラの担い手として創業しました。発電所や汚水処理場の運転業務を担い、次いで公園管理や観光地の整備と事業を拡大、その後、小笠原諸島が世界遺産登録に向けて活動する頃から環境保全事業を開始しました。主にグリーン植生に関する領域を専門に事業を行っています。
近年ではSDGsと世界自然遺産の親和性に共感し「自然環境の保全活動」に経済性を持たせること、そして多くの共感を生みステークホルダーを増やすことを目的とした戦略的CSR(社会貢献活動)に取り組んでいます。当社を起点に、当社だけではなく島の他の事業者や子どもたちにも循環する取り組みを行うことで、島全体で維持・発展していくことを目指しています。
島内外と取り組むプロジェクトと地域のブランド化
そのような中で、力を入れている独自のプロジェクトが「Team Wood Recycle」です。
具体的な取り組みとしては、島内の事業者等と協力しながら環境整備で出た木々や廃材から炭を作って経済活動に繋げたり、良い素材は楽器に加工して海外で販売したりと小笠原諸島の木材をブランド化しています。楽器については販売すると即日完売するほどの人気があります。
他にも、子ども向けのセミナーや小学校の年間カリキュラムに組み込まれた活動など、地域の環境教育を展開しています。また、毎月地域の子どもたちが20人~30人程度参加する森づくり活動を行い、参加者には島内の飲食店で500円の金券として使えるチケットを渡しています。
このようにグリーンメンテナンスを軸に教育やSDGsなど新たな事業を展開しています。
さらなる地域のブランド化に向けた新しい経済価値の創出
約3年間のTWR活動経験を活かし、2024年度下期からいよいよ「環境保全×経済性」の課題と本格的に向き合います。
今回、東京都の東京宝島チャレンジプロジェクトでの支援が決まり小笠原カーボンクレジットによる新しい経済価値の創出と生物多様性のクレジット化にチャレンジします。
この取り組みを通して、「おがさわら関係企業」が増えることで人手不足、特に知的労働力の関係人口化や協創ビジネスへの可能性を模索します。さらに、地域ブランドストーリーに貢献し島の主要産業である観光業への好循環を創出します。上場企業にとっても自助努力で相殺しきれないCO2排出量をカーボンクレジット取引によってカーボンニュートラルを実現できます。
現在、世界自然遺産である小笠原諸島の環境保全の多くを公費で賄っていますが、公費以外の経済性を持たせることで豊かで貴重な小笠原諸島の自然を活かしながら自走できる環境を整えます。この手法は全国の山村離島地域にも展開が可能なので、小笠原以外の地方創生にも貢献できる三方良し四法良しのプロジェクトです。
また、木材活用にも新たな視点を加えます。環境保全の取り組みとして森林の手入れを行う際に間引いた木々などを楽器など高付加価値製品の原材料として提供、アクリルスタンドなど他製品とのコラボレーションなど「建材」に偏重する林業施策に新しい可能性を提案します。
国内で地理的にも時間的にも最も離れた小笠原諸島からGoodジャパンを提案していく。
当社の取り組みは地域課題から社会課題に向け進化します。
多様性を受け入れる社風が魅力!従業員インタビュー
当社では、従業員の考え方や経験などの多様性を理解して仕事を増やそうという風土が特徴です。身に付けた個々のスキルや経験を生かして、教育関連の事業や樹木医の仕事など新たな仕事の受注にも繋がっています。
※以下、従業員3名によるインタビュー
環境保全担当(黒崎さん)
私は、20歳頃からアルバイトで小笠原諸島に通っていたのですが、その時からずっと小笠原グリーンにお世話になっています。フリーターとして約10年間、東京や他の場所で働きながら30歳前後で小笠原グリーンの社員になりました。
小笠原諸島は自然が素晴らしい場所で、住むのも快適です。仕事もやりがいがあるので、とても良かったと感じています。
仕事の内容は、周辺の無人島での作業が中心です。日帰りで行ったり、1週間ほど泊まりで行くこともあります。
樹木管理担当(樹木医 三川さん)
私は、林業に興味を持ち、小笠原諸島で働くことを決めました。最初は特に意識をしていませんでしたが、求人サイトで林業を検索したところ小笠原グリーンが最初に表示され、もともと小笠原諸島自体にも興味があり、それがきっかけでここに来ることになりました。
この仕事で1番うれしかったことは、樹木医の資格を取ることができたことです。これがきっかけで、仕事の幅が広がりました。
また、世界遺産の自然に深く関わりながら働けることも魅力で、通常の観光では見られないような自然に触れることができるのが良いと感じています。
施設管理担当兼環境教育担当(伊能さん)
私は、前職では塾の講師で塾長まで経験しましたが、元々体を動かすことが好きだったため、ブルーカラー系の仕事を探していました。しかし、このような職種は経験者のみを募集している会社が多く、未経験のキーワードで検索すると離島の求人が多く出てきました。
旅行が好きだったため離島に行くことも選択肢に入れ、離島の中でも1番遠い場所を選ぶことにしました。最初は体力系や造園の仕事に従事し、今では教育業界の経験を生かして小学生や中学生に向けた環境教育にも携わっています。塾講師の経験が新たな場所で活かされていることに感謝しています。
福利厚生の充実も魅力
男性従業員は共同寮を利用でき、女性従業員は車で8分の場所にあるオーシャンビューの女性専用寮を利用できます。寮費は男性寮が月10,000円ほど、女性寮が月15,000円に水道光熱費が追加されます。女性寮の方が若干高いですが、その分部屋が広く、生活環境が整っています。
賃貸の場合、島内の相場で1Kが7万円~8万円ですが、会社から一律3万円の家賃補助があります。
他にも、会社にとって重要な樹木医や施工管理技師などの国家資格取得に関する出張費や宿泊費を支給する支援制度も設けています。
また、めずらしい福利厚生としては、勤務中の飲み物はすべて会社が無料提供しています。勤務後にビールやノンアルコールドリンクなどを1日1人1本飲める「おつかれビール」という制度があります。
離島での生活を楽しめる人材を募集
オンとオフの切り替えを上手に行えて、仕事もプライベートも充実した生活を送りたい方は、経験の有無に関わらず、ぜひご応募ください。
必須の専門的なスキルはありませんが、造園経験や林業経験などがある方は当社の環境保全事業でも生かしやすいと思います。当社は特に植物の取り扱いが中心で、生態系の基盤となる森林の保全を担っています。そのような経験やスキルがあれば、昇給に繋がることもあります。
基本的に運転免許は必須です。当社には4トントラックがあるので、可能であれば準中型以上の免許があるとより良いです。
他にも、当社ではITスキルや営業経験なども生かせます。今後はDX推進事業にも力を入れたいと考えているため、人手不足の中、デジタル技術を活用して社内システムの構築や営業の仕組み作りなどで活躍していただきたいです。
応募方法について
業界未経験の方もお気軽にご応募ください。離島では人材不足が多く、きっと今までの経験を生かせるポジションがあると思います。まずは、要望や経験をヒアリングして、実際の仕事内容や適性を確認してから適切な仕事を見つけることができればと思っています。
募集内容について
当社では環境保全に携わる従業員を募集します。
業務内容 | 維持管理課、遺産保全課、総務課のうち適材適所に配属 |
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必要な免許・資格 | 運転免許必須。その他は特になし |
雇用形態 | 契約社員 |
契約期間 | 2025年3月31日まで(以後1年更新) ※更新時に正社員登用も可能 |
試用期間 | あり(3ヶ月、試用期間中の労働条件:社会保険への加入を保留) |
募集人数 | 5名 |
勤務地 | 小笠原父島・母島 |
就労時間 | 7:00~16:00 |
休憩時間 | 11:00~13:00 |
時間外労働 | あり(月平均0.5時間以下) |
休日・休暇 | 日曜、祝祭日 |
給与・賃金 | 日給9,000円~ ※昇給:年1回 ※賞与:年2回(業績による) |
各種手当 | 無人島出張手当(日帰りの場合 2,000円+昼食支給、宿泊の場合 1,000円+3食支給)、技能手当 |
副業可否 | 可能 |
加入保険 | 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金 |
その他福利厚生 | 資格取得支援制度、家賃サポート制度、長期休暇支援制度(年1回の往復船賃支給) |
自然・スポーツ・趣味で休日も充実
小笠原村は数ある日本の離島の中でも移住者がとても多く、平均年齢が40代後半と若いことが特徴です。
※以下、従業員3名によるインタビュー
黒崎さん:島内には娯楽の施設がないので、休日は基本的に自然の中で遊んだり、海が近いので泳いだり、夕日を見たりとのんびり過ごしています。私は写真が好きなので、美しい風景を写真に収めて観光協会主催のイベントなどに出展することもあります。他にも、絵や音楽などの趣味を楽しんでいる方が多いです。
三川さん:私は、海に行って泳いだり、好きな魚を釣ったりして過ごしています。また、私は独身で移住したのですが、妻とは島内の飲食店で出会い結婚しました。結婚してからは家族の時間を楽しんだり、自分で釣った魚を調理して食べたりと島暮らしを満喫しています。
伊能さん:私は黒崎さんや三上さんのように海で泳ぐことは少なく、主にスポーツに取り組んでいます。バスケットボールやサッカー、バドミントンなどに参加しています。特に父島と母島ではゲートボールが流行していて、スポーツの後は仲間たちと一緒に飲みに行くのも楽しみの1つです。
海に興味がなくても、体を動かすことが好きな人は楽しめると思います。年齢も幅広く、中学生から40代、50代まで様々な世代が参加しています。
小笠原諸島からサスティナブルを発信
離島の最大の懸念は人口減少が進む社会への対応で、離島の存続が厳しい場所と可能な場所が出てくると考えています。小笠原諸島は東京から船で24時間も掛かるなどの特異な状況があり、このままでは2050年に現在の人口規模を維持することは難しいだろうと予測しています。
当社では小笠原諸島が世界自然遺産に認定されていることを活かし、サスティナブルな取り組みを行い、先進的な地域として知られるようになりたいと考えています。この取り組みにより、離島での生活が従業員たちにとっても魅力的で楽しいものになると期待しています。また、小笠原諸島は知名度が高いため、大手企業との交渉や営業活動も行っており、これからもますます新しい取り組みが生まれる可能性を秘めています。
今後も、2050カーボンニュートラルに向けてサスティナブルなアイデアを離島から広め、企業として収益も上げていきたいと考えています。離島の企業が単独でSDGsに取り組むには様々な制約がありますが、環境保全に関心のある企業とのパートナーシップを強化し、お互いに利益を得る関係を築くことが重要です。このパートナーシップにより、これまでできなかったことが実現できるようになり、企業との協力によるメリットが期待されます。このようなwin-winの関係を積極的に築いていくことを目指しています。
キーワードは「SDGs」
当社は、世界の気候変動と日本の人口減少に対処するために、「世界自然遺産」である小笠原諸島だからこそ果たせる重要な役割があると信じています。この離島が抱える困難な条件を克服し、豊かな自然を武器にして地域ブランド向上や経済的な繁栄を実現できると考えています。
直近では、東京宝島チャレンジプロジェクトでの支援が決まった小笠原カーボンクレジットによる新しい経済価値の創出と生物多様性のクレジット化を実現し、島内外を巻き込みながら小笠原諸島の環境保全と魅力創出、そして小笠原以外の地域の地方創生へと繋げていきます。
人口減少下でも移住者の絶えない豊かな島を目指し、日本で1番遠い島「小笠原諸島」から、共に働いて世界を変えていく!そんな仲間になりませんか?