SNS

I live with the island and stay with the island

SEARCH詳細検索

SEARCH

CLOSE

鹿児島

【移住を検討中の方必見!】豊かな自然と独自の文化を誇る十島村を徹底解剖!

2020.12.01

【移住を検討中の方必見!】豊かな自然と独自の文化を誇る十島村を徹底解剖!

鹿児島港からフェリーで約6時間-。そこは大和文化と琉球文化が混在する唯一の村。そんな村が2015年の国勢調査で、全国5位となる15.1%の人口増となり、近年夫婦や子ども連れでの移住者が増加している。十島村が移住者の注目を集める理由とは?島で暮らすことの良さや覚悟とは?十島村への移住を支援している十島村役場の片平さんと榮羽さんにお話を伺いました。

#十島村移住 #離島移住 
取材協力・画像提供:十島村役場

日本一長い村、十島村って?

面積101.14㎢、人口約680名。屋久島と奄美大島の間にある7つの有人島と5つの無人島から成る村で、最北の口之島から最南の横当島(よこあてじま)までの距離は直線で約160kmあり、人が常駐する島としては「日本一長い村」とされています。現在の三島村の3つの有人島と、現在の十島村の7つの有人島を合わせて「十島村(じっとうそん)」と呼ばれていました。それを「としまむら」と呼び名を変えたのが十島村の名前の由来です。

豊かな自然と独自の文化、天然の温泉などを目当てにダイバーや釣り好きの方を中心にその良さが広まり、知る人ぞ知る隠れた秘境となっています。近年は、移住してきた島民の方によって村の魅力が積極的に発信され、移住先としても注目されるようになりました。

十島村までは村営定期船「フェリーとしま2」が運航しており、基本的に週2便、月曜日と金曜日の23時に鹿児島港を出港し、翌朝、北から順に終点名瀬港まで運航します。

7つの有人島、7つの魅力

口之島(くちのしま)

口之島_野生牛_201128

鹿児島港を出航した「フェリーとしま2」が最初に到着する十島村の玄関口。トカラ列島の最北端に位置し、燃岳に象徴される火山島。島の中央にそびえる前岳(628m)の山麓に広がる原生林からセランマ温泉にかけて、野生牛が放牧されています。

中之島(なかのしま)

中之島_トカラウマ_201128

人口・面積ともに最大の島。島の中北部にそびえるトカラ列島最高峰の御岳(979m)は「トカラ富士」の愛称にふさわしい美しい稜線の山で、登山もできます。高原には県の天然記念物に指定されているトカラ馬が放牧され、ゆったりと草を食む姿に心癒されます。天文台には九州最大級の望遠鏡があり、澄んだ空気のなか満天の星空が楽しめます。

諏訪之瀬島(すわのせじま)

諏訪之瀬島_噴火口_201128

十島村で 2 番目に大きな島で、御岳(799m)は今も活発に噴煙を上げています。崖がぱっくりと口を開けたような「乙姫の洞窟」があります。北西部の溶岩台地にはマルバサツキが群生し、春になれば一面がピンクに染まります。

平島(たいらじま)

平島_千年ガジュマル_201128

トカラ列島中央部に位置し、平家の落人が最初に流れ着いた地と言い伝えられています。東部海岸の崖下には「平家の穴」と呼ばれる平家伝説ゆかりの洞窟があり、各所に史跡が残されています。昔ながらの習俗が最も多く受け継がれており、中世の頃から続く元服の儀式は、今も当時の形式をほとんど変えずに執り行われています。

悪石島(あくせきじま)

悪石島_ボゼ_201128

周囲を断崖絶壁に囲まれ、仮面神「ボゼ」に象徴される神々の島。島内各所に神々が祀られ、島民は日々の平穏に祈りを捧げます。うっそうと茂った亜熱帯性の植物も大切に保護され、神山として聖地の扱いを受けています。温泉にも恵まれ、港から徒歩約20分の海岸近くには湯泊温泉、海岸の岩間に沸き出る海中温泉、地熱を利用した天然の砂蒸し風呂はデトックスに最適です。

小宝島(こだからじま)

小宝島_小宝島港_201128

人口・面積ともに最小の島。宝島の北東約16kmにある隆起サンゴ礁でできた周囲約4kmの小さな島。まるで妊婦さんが横たわっているように見えることから「子宝に恵まれる」という伝説があります。アダンやソテツ、ハイビスカスが咲き誇る亜熱帯情緒あふれる島は、30分も歩けば一周できるほど。立神と呼ばれる多くの奇岩が海岸線にそびえ立ち、中でも「ウネ神」と「赤立神」は見ごたえ満点です。

宝島(たからじま)

宝島_大籠海水浴場_201128

有人島最南の島で、隆起サンゴ礁でできたハート形をしています。その昔、イギリスの海賊キャプテン・キッドが財宝を隠したという言い伝えがあり、財宝を隠したとされる鍾乳洞があります。国内外から多くの探検家が訪れたとされ、宝島という名にふさわしいロマン溢れる島。サンゴ礁に囲まれた海のエメラルドグリーンと白い砂浜とのコントラストが美しく、移住者に最も人気のある島です。

島の暮らしと生活環境

島には不動産屋がないので、移住者の方はもっぱら村営住宅に入居しています。島によっては商店がないところもあるので、日用品はネットで注文したり生協を利用したりして調達しています。郵便局はすべての島にあるので郵便局の口座を持っていればお金はおろせますが、銀行はありません。また、病院はないのですが、看護師2名体制の診療所があります。急患が出た際は、ドクターヘリで鹿児島本土や奄美に搬送します。最近では遠隔システムを利用して診療も行っています。

通信環境に関しては、令和3年度中に各家庭に光ファイバーが引かれる予定です。今は無線のネットを使っているので、今までよりネット環境は良くなると思います。

交通手段に関しては、基本的には車を運転される方が多いです。自分で荷物を港まで取りに行かなければならず、港と集落が離れている島が多いので車が必要なところがほとんどです。ガソリンスタンドは少しずつ整備されてきていて、口之島は現在整備中、悪石島と宝島はすでに整備されています。それ以外のところではドラム缶でガソリンを取り寄せてご自分で給油されています。

島で見つける新たな働き方

「地域おこし協力隊」という形で移住して、高齢者支援や農業・漁業関係、水産加工の仕事に携わっている方や、また村の正規職員の看護師として働いている方もいます。島での仕事は、農業・漁業・畜産業の一次産業が主になります。すでに働いている方のもとで学びながら独立を目指すという就労支援制度があるので、未経験の方でも安心して働けると思います。

今年は特にリモートでの仕事が可能になったということもあり、移住されたご家族の中には、ご主人はネット環境があればできる仕事を島でも引き続き行い、奥さんは農業の勉強をしながら夫婦で子育てしているというご家族もいらっしゃいます。新たな生活様式になって、そういう働き方もこれから可能になるのかなと思います。企業でもワーケーションと言って地方に移住する動きもあるので、そういうところの候補の一つになればいいなと思っています。

都会よりもたくましく育つ?島での教育事情

島には中学校までしかなく、高校生になると鹿児島本土や島の外に出て行かれるので、それに対する補助制度もあります。各島に一つずつある小・中学校はほとんどが複式学級ですが、大規模校に負けない基礎学力やたくましい精神力、自然を愛する心などを養うことができます。

また、山海留学という制度を利用して島の学校を希望する子どもたちを全国から集る制度もあります。日本全国どこからでも受け入れをしていて、遠いところで東京から、都会では経験できない島の暮らしを体験させたいということで、各島の学級で受け入れています。中学3年生までの期間内であれば何年間という上限はなく、中には3年間の予定で来たけど島の暮らしが気に行ってそのまま中学校までいるという子もいるようです。ホームステイのような形で受け入れ先の里親さんのご家庭や寮で共に暮らします。

自治体の移住支援について知りたい

子育て世帯への助成制度として、子どもたちにミルクや紙おむつの購入費を助成する制度があります。また、各島に「子育て支援拠点施設」という子育て支援や子供の一時預かりを行うことが可能です。

移住後のミスマッチを防ぐために、移住前の下見をおすすめしています。その下見にかかる費用を半額補助するという支援を始めました。下見にかかる交通費や宿泊代などを、10万円を上限に支援しています。また、引越費用を助成する制度があり、今年から上限が30万円に引き上げられたので、移住を検討しやすくなっていると思います。

島での暮らしを具体的にイメージしてもらいやすくするために、昨年、悪石島に移住体験施設を作りました。今年の4月にオープン予定だったのですが、現在はコロナの影響で閉鎖中です。4~5日間で農作業を体験してもらいつつ施設で寝泊りをして、レクリエーション等を通して楽しみながら島での生活を体験していただくという内容です。

また、現在コロナ禍で移住者向けのイベント関係がほとんど中止になっているため、今年の7月から移住者向けのオンライン相談を始めました。移住を検討されている方や島での暮らしに興味があるという方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

移住を後悔しないために準備しておきたいこと

1つ目は、ご家族としっかり話し合った上で移住の同意を得ることです。島で暮らすとなるとご自身や島の方の協力を得ながら生活の基盤を確保しないといけなくなるので、それなりの覚悟や厳しさもしっかりわかっておくことが重要です。ただ、生活面で「これがないと島で生きていけない」というものは特にありません。住宅は村営住宅しかありませんので、不動産を探す手間はないですし、電気・ガス・水道等のインフラ関係も整っているのでその点に関しては安心して過ごしていただけると思います。

2つ目は、島に行ってからの仕事や島で何をするかというライフプランを明確にしておくことです。島でリモートワークをするのか、新たに職を見つけるのか。島で身に付けたノウハウを今後の人生にどう生かしていくのか。目的を持つことで島での暮らしの充実度が大きく変わります。

最後に、実際に移住を決意した場合、島のお祭りや学校行事に積極的に参加することです。移住された方にまずお願いしているのは、島にフェリーが到着した際の荷物の受け取りや船の綱取りに参加することです。島で行われている行事や作業に参加することで島の人たちと顔見知りになれますし、それが顔を覚えてもらう重要なきっかけになります。島で暮らす以上、島民としての役割を果たすことも念頭に置いておかなければなりません。

訪れてみないとわからない、本当の魅力

十島村は、不便な島ではありますが、大和文化と琉球文化が混ざり合った独特な文化を体験できる唯一の島です。私は、県外に住んでいましたが、トカラ列島島巡りマラソン大会というマラソン大会がきっかけで十島村を知り、海や山、空の綺麗さ、自然の美しさに魅了され役場に就職しました。「観光地化されていない自然」というのがすごく貴重だと思います。

島への移住を検討されている方も、そうでない方も、まずは一度ぜひ十島村に遊びに来てみてください。フェリーに乗って、十島村でゆっくり過ごして、美しい自然と刻を忘れさせる島で癒されてほしいです。民宿に泊まるとお刺身がすごく美味しいのでそちらもぜひ堪能してみてください。綺麗な海で獲れる魚介や、ふるさと納税の返礼品人気No.1である島バナナ、島ラッキョウも島の特産品なのでぜひご賞味ください。

まず来て、見て、移住を考える一つのきっかけにしてもらえたらと思います!

最後に

新たな生活様式になって最近ますます注目を集めている島への移住。豊かな自然やゆったりと流れる時間に憧れを抱く一方、交通アクセスはじめ日々の暮らしの中で大変さや不便さを伴うことも事実。それをしっかりと理解したうえで移住するもよし、しないもよし。いずれにしろ、この不思議な魅力あふれる島々を、一生のうちに一度は訪れてみる価値は大いにありそうです。

鹿児島港から口之島(北の入口)まで「フェリーとしま2」で6時間15分、名瀬港から宝島(南の入り口)まで3時間5分。フェリーとしま2は、週2便(夏季は週3便)運航しています。
詳しい運行状況はホームページをご確認ください。

 

取材協力:十島村役場総務課

〒892-0822 鹿児島市泉町14番15号

099-222-2101

公式ホームページ

 

RELATED