広島
大崎下島で大長みかんの収穫体験!おすすめの見どころもご紹介
映画『ももへの手紙』の舞台となった「大崎下島(おおさきしもじま)」。広島みかん、広島レモンの中でも人気がある大長みかん、大長レモンの産地です。今回は、収穫のお手伝いをしたその様子と、大崎下島の見どころをご紹介します。
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文章・画像提供:りとふる公式アンバサダー ゆりぽん
Contents
大崎下島とは?
広島県呉市の南東にある“とびしま海道”の中の離島の1つです。本州側から下蒲刈島(しもかまがりじま)- 上蒲刈島(かみかまがりじま)- 豊島(とよしま)- 大崎下島(おおさきしもじま)- 平羅島(へらしま・無人島)- 中ノ島(なかのしま・無人島)- 岡村島(おかむらじま)の順に7つの橋で繋がっています。
“とびしま海道”を通るだけでも穏やかな瀬戸内の海、そして小さな島々を眺められ、ザ・瀬戸内の風景を見ることができます。車でドライブしたりバイクでツーリングしたり、“しまなみ海道”と同様にサイクリングに訪れる方も多いです。
ちなみに、広島県と愛媛県の県境がある岡村島は、大崎下島のすぐ目の前ですが愛媛県になります。まだ計画未定のようですが、いずれは大崎上島へ渡る橋ができて計8つの橋を含めて“とびしま海道”と呼ぶようになるようです。
大崎下島へのアクセス
【車の場合】所要時間:約1時間
広島呉道路(クレアライン)呉IC → 安芸灘大橋(有料) → 大崎下島
【フェリーの場合】所要時間:約12分
大崎上島・明石港-大崎下島・小長(おちょう)港
【高速船の場合】所要時間:約45分
竹原市・竹原港-大崎下島・大長(おおちょう)港
【バスの場合】
広島市内(呉市内経由)-大崎下島・御手洗港 所要時間:約2時間20分
呉市・中国労災病院-大崎下島・御手洗港 所要時間:約30分
フェリーが運航しているので、ツーリングやサイクリングをしながら小長港へ向かい、橋で繋がっていない大崎上島へ渡るのもおすすめです。小長港には海の駅があるので、お土産を買ったり食事をすることもできます。
大長港には、みかんがのった電話ボックスがあって、なんだかかわいいです。待合所の中は、レトロな雰囲気がそのまま残っています。
大長みかん、大長レモンについて
大長みかん、大長レモンとは、雨があまり降らない温暖な瀬戸内海気候、そして水捌けが良い段々畑で作られた大崎下島・豊町で採れるみかんとレモンのことをいいます。
平地が少なく急勾配な斜面が多い大崎下島では、ゲシと呼ばれる石積みを作って段々畑を築き上げています。祖父から聞いた話しですが、昔は道路もなく、この石積みの作業も収穫したみかんの運搬も全て手作業で行い、20kgほどのみかんを背負って山の上から海沿いの道まで人力で運んでいたそうです。
実際にみかん畑に行って風景を見てみると、そんな作業をしていたとは考えられないなと思いました。今では農道があるので、昔と比べると楽になっていますが、坂道ではみかんを持ったまま少し動くだけでも大変でした。
瀬戸内の太陽の日差しをたっぷりと浴びた大長みかんは、甘味の強い甘酸っぱさがり、味が濃くとても美味しいです。サイズは大きいのから小さいのまでたくさんできますが、私は市場に出荷される規格サイズのものより、小さいみかんの方が意外と甘かったりするので好きなんです。小さい規格外のみかんは、ジュース等に加工されているので、みかんジュースは間違いなく美味しいですよ!!
大長レモンも香りが強く、味もとても濃いです。料理やお酒に大長レモンを使うと、とてもさっぱりとしてレモンの味をしっかりと感じることができるのでおすすめです。
大長みかん作りのスケジュール
3~4月…せん定、植え付け、肥料
5~6月…みかん・レモンの開花、肥料
7~9月…摘果(てっか)
10月〜…肥料、収穫
簡単にスケジュールを書きましたが、このような流れで収穫までの作業があります。
収穫時期以外には、きちんと手入れをして大切に育てているので甘くて美味しい大長みかんができているのです。
5.6月頃になると、みかんやレモンの花が咲き、島内は甘い香りに包まれています。かわいい花が咲くので、ぜひ見に行ってほしいです。
大長みかんの収穫を体験
私の祖父母から引き継いだ叔父たちが大長みかんと大長レモンの生産をしているので、今回はそちらの畑で収穫のお手伝いをしてきました。
収穫はみかん切りハサミで2回切る方法です。
①みかんから1~2cmほど離れた茎の部分を切る
②みかんのへたのギリギリを切る
収穫方法は簡単ですが、手が届きそうで届かない所にみかんができていたり、木の中や奥の方まで入ったり、収穫したみかんが転がっていったり、斜面から滑ったり…。収穫したみかんは、ある程度の量が溜まったら重くなり結構な重労働で大変です。
私もみかんの収穫の時は、汚れるのも虫も気にならなくなりました。収穫の時は汚れてもいい服と靴、帽子、軍手や腕抜きもあれば良いですね。
レモンも同じように収穫をしていますが、レモンにはトゲがあり、これがとても厄介で刺さるととても痛いです。スーパーなどでレモンを見たら、生産者が頑張って収穫していることをぜひ思い出して味わっていただけると嬉しいです。笑
収穫したみかん、レモンはコンテナに集められ、大きさを選別して出荷するという流れになります。
瀬戸内のみかん畑の中にはレールが設置されているのをよく見かけますが、これはみかんやレモンを運ぶためのモノラックです。
喉が渇いたり、少し作業の休憩をする時は、自分が収穫した美味しいみかんを食べながら瀬戸内のきれいな風景を見ることができるので、とても幸せな気分になりました。
島内で大長みかん、大長レモンを購入したい場合は、JAで量り売りをしていたり、農家さんが直接販売していたり、無人の販売所が道端に設置してあります。私的には農家さんから直接買うか、無人販売が良いかなと思います。
大長みかん、大長レモンを使った特産品
今回は、村尾晶文堂さんで大長みかん、大長レモンを使って加工された特産品を見てきました。中にはたくさんの商品が並び、大長みかんを使って作られた定番のジュースやジャム、珍しい味噌までありました。これからの季節には、大長レモンのはちみつレモンで温まるのもいいですね。
大崎下島を訪れたら、ぜひお土産にいかがでしょうか。
大崎下島の見どころスポット
雁木
船着場にある階段状のものを雁木(がんぎ)と呼びます。昔は500艇ほど停泊していたようで、大長みかんの運搬や他の島へ渡るために使われていました。
私はこの町並みと船着場の風景が好きで、島を訪れる度に行って写真を撮ってしまいます。笑
こちらの写真は、大長の北堀雁木で、このような雁木は、御手洗地区にもあります。
御手洗地区
御手洗地区とは江戸時代、風待ち潮待ちの港町として栄え、現在は国の重要伝統的建造物群保存地区として指定されており、昔懐かしい風景を残した町並みがあります。
以前はそんな町並みが残っているだけでしたが、今では観光案内所や町並み歩きができるマップがあったり、素敵なカフェや食事処もできているので、とても観光しやすくなりました。
ちなみに、御手洗重伝建を考える会が発行している『御手洗歩き方マップ』は、とても見やすく解説も書かれているのでおすすめですよ。
千砂子波止
御手洗地区のシンボル的な高灯籠がある千砂子波止(ちさごはと)は、全長約120mの大防波堤です。高潮や台風で先端部分が壊れて修復されましたが、波止は当時のまま現存してあります。
常夜灯でもあった高灯籠がある先端まで、ぜひ歩いて行ってみてくださいね。
足長小学生標識
溝舟寺の前には、異常に足が長い小学生が走っている標識?看板?があります。
ここでしか見ることができない面白い標識なので、みなさんも同じになるように頑張って飛んでみてくださいね。笑
乙女座
昭和12年に建設された芝居小屋兼映画館です。長い間、空き家になっていましたが、当時を覚えている人たちが創業当時のそのままを復元することができ、今では中に入って観覧することもできます。(入場料200円)
レントゲン科越智醫院
大正時代に建てられた洋館は、現在はゲストハウスとカフェとして利用することができます。島旅の休憩に立ち寄ってみるのもいいですね。
最後に
瀬戸内に浮かぶ大崎下島は、とてものどかで穏やかな島です。これからの時期はどんどん美味しい大長みかんや大長レモンが出荷されてくるので、ドライブついでにみかんとレモンを買って、御手洗でのんびりと町並みを観光してみてはいかがでしょうか。島の雰囲気にきっと癒されるはずですよ。
私の祖父母が大長みかん農家だったため、幼い頃から身近にあった大長みかん、大長レモンが、この記事を通してもっとたくさんの方に広まりますように…。
大長みかん、本当に美味しいのでぜひ食べてみてください!!損はさせませんよ!!