広島
下蒲刈島で昭和民謡カフェを作るならどこに作る?データマーケティングのフィールドワークを実施
広島県では、大学、民間企業と連携し、次世代のデータサイエンティストを輩出することを目的とした「WiDS HIROSHIMA シンポジウム」が2024年3月15日に開催されます。「WiDS(ウィズ)」とは「Women in Data Science」の略で、米国スタンフォード大学発の世界的なシンポジウムです。
シンポジウムに向けた体験イベントの1つで、広島県呉市の下蒲刈島を舞台に女子高校生がデータサイエンスを学ぶフィールドワークが行われました。
#広島県 離島 #AI #マーケティング #地方創生
取材:りとふる編集部
下蒲刈島とは?
下蒲刈島は広島県呉市から愛媛県今治市の岡村島までを繋ぐ「安芸灘とびしま海道」の最西端に位置し、人口約1,200人の島です。江戸時代には朝鮮通信使の交通路であり、宿泊地の1つでもありました。
中でも三之瀬地区には松濤園や蘭島閣美術館など当時の風情が残る施設が複数あり、観光客が散策するエリアとしても知られています。
島でのマーケティングにチャレンジ!
島の独特な雰囲気や風景に惹かれる人々が近年では増えつつあります。しかし、島には気軽に交流ができるコミュニティスペースなどが不足しています。この課題に対処すべく、「昭和歌謡カフェを作るならどこに作る?」というテーマで女子高校生たちがフィールドワークを行いました。
実際に3つの空き物件を訪れ、現地で情報収集を行い、島に昭和歌謡カフェをオープンするならどのような場所が理想的か、未来を担う女子高校生たちが検討しました。
フィールドワークでは三之瀬地区を散策し、物件からの眺めや島民への聞き込みなど各グループが情報収集を行いました。最後はグループで意見をまとめ、発表が行われました。
このフィールドワークは仮テーマではありますが、このようなコミュニティスペースを必要とする離島は数多く存在し、地域課題の解決策としても有益になることでしょう。
参加した女子高校生たちの目的は様々で、「将来、自分が出店するとなった時にどのような情報が必要なのか知りたい」や「地域課題の取り組みに興味がある」といった声がありましたが、共通して有意義な体験イベントであったことが伝わってきます。
島民の方々からは、今回のフィールドワークで町からにぎやかな声が聞こえてうれしいという感想をいただきました。人が集まることが、地域を元気にする基本的な要素だと再確認することができました。
産学官の連携で地域課題を解決
今回の体験イベントは広島大学のPeace & Science Innovation Ecosystem(PSI)が主催し、株式会社Rejoui(リジョウイ) が企画・運営を行い、呉市も開催場所の提供などで協力をしています。地方自治体では様々な課題に直面していますが、データサイエンスは地域課題の解決に不可欠です。
また、現在のデータサイエンティストの比率は男性が9割、女性が1割となっています。様々な視野で示唆を出すためには女性のデータサイエンティストを増やすことも重要です。今回の取り組みが女性データサイエンティストの育成に一役買い、離島の課題解決のモデルケースになることを期待しています。