オセアニア
【ヤップ島】ミクロネシア連邦の豊かな色彩と伝統文化に満ちた島
ミクロネシア連邦の西側に位置する「ヤップ島」。1番の魅力は人々がかたくなに守り続ける伝統文化に触れることです。ミクロネシア連邦の中で最も伝統的な島であるばかりか、広い太平洋地域の中でも最も独特な文化が感じられる場所だと言われています。きっとそれは古い伝統や魅惑的な伝説に包まれ、太平洋諸国の中でも非常に特色ある文化が多く残っているからに違いありません。今回は見知らぬトラッドカルチャーに好奇心が騒ぎだす「ヤップ島」についてご紹介します。
#ミクロネシア 離島 #YAP島 #ヤップ島 観光 #観光スポット
文章・画像提供:ミクロネシア連邦大使館
編集:りとふる編集部
【見どころ】
海辺にあるメンズハウス、昔と何ひとつ変わらない村の伝統・文化を体験するビレッジツアー、古代の巨大石貨(ストーンマネー)と石貨銀行(マネーバンク)、様々な手工芸品(ハンディクラフト)、海洋生物、マングローブ林。そういったものが、この島の魅力を際立たせています。伝統的な踊りに使用するとてもカラフルな民族衣装は、今でも日常で使われています。
【石貨(ストーンマネー)】
世界で1番大きなお金の破天荒なストーリーに興奮します。ストーンマネー(石貨)のサイズは小さいもので直径60cm、最大のものは6mもあります。まるでマンガで原始人が真ん中に穴を通して運んでいたあの巨大な石のお金のモデルのようです。石貨と名がついているくらいなのでお金としてその昔に流通していたのだろうと思いきや、現在でも使われているというのだから驚きです。コンビニに持って行って使うのは不可能なので、石貨はストーンバンク(石貨の銀行)に預けています。使い道はといえば、例えば婚礼の結納金や家を建てる時の材料費に充てています。
ストーンマネー(石貨)の価値は大きさではなくてストーリーにあります。その由来ははっきりとしていませんが、この結晶質石灰岩は約500km離れたお隣の国パラオからいかだで運ばれました。中央に穴を開けているのは、そこに丸太を差し込んでかつげるようにするためですが、重さ5tほどにもなる石の塊をどのようにして運んだのでしょう。500kmも離れたところにカヌーで渡り、そこで石を掘り出し、さらにカヌーで運んで帰ってくるのは当時の技術では大変なことだったに違いありません。「採掘の途中でね、数人が怪我をして…。海を渡る途中嵐に遭ってね。2人死んでしまったよ、そんな大変な思いをして運んできたのがこれなんだよ」といった、いかに大変な思いをして運んできたかのストーリーこそがこの石貨の価値になっています。
【ヤップデイ】
ヤップ伝統の祝祭に島がダンスをする「Yap Day(ヤップデイ)」。ヤップ島を五感で体験したいならこの日が最高の1日になるでしょう。ヤップデイは州1番の大きな祭りで、鮮やかな色彩で島は埋め尽くされます。いわばヤップの伝統的な生活の知恵を後世に残そうとする1つの試みです。1年に1度、食事・服装などすべてにおいて昔のヤップの生活に立ち戻って、伝統や文化を受け継いでいこうという趣旨のもと、毎年3月1日に開催されています。会場ではヤップ島各地の村から伝統的なダンスが2日間にわたって披露され、農産物や海産物の品評会、ココナッツの皮むきやバスケット編みの競演など、伝統的な生活技術が競われます。
【マナー・注意事項】
ヤップデイの期間中はどのホテルも満室になるので、予約は早めにするのが良いでしょう。
【行き方】
ヤップ島にはグアム島から飛行機で約1時間35分で行くことができます。グアム島とパラオのほぼ真ん中にあり、東西1200kmにわたる広大な海域に22の有人島を含む138の小さな島々から構成されています。
【伝統の航海術(ナビゲーション)】
驚くほど洗練された形で今に伝わる古代の航海術には、大自然の中で生き抜いていくための人間の知恵が詰まっています。ヤップ島では伝統技術として未だに手造りのカヌーに乗り、星だけを頼りにパラオやグアムまで航海している男達が残っています。海図もコンパスもありません。しかし、夜空にある無数の星によって、自分が今いる位置と向かうべき方角がわかるのです。この方法で航海者たちは数千km離れた島々へと小さなカヌーで旅をしてきました。ヤップの離島「サタワル」の人たちは、美しい星の瞬きを頭で翻訳して地図として理解することができました。航海術の基本は「船の位置を求めること」と「船の向かう進路を求めること」という、空間認知にあるといいます。まだ海図や航海計器がなかった時代の航海者たちの心には何らかのイメージマップがあり、天体、風、風浪とうねり、潮海流、海水の色、鳥や魚、陸の匂いなど、自然のもたらす様々なサインを読み解きながら航海を実現していました。五感を総動員して自然とともに生きてきたのです。
ヤップ島
公式ホームページ(ミクロネシア連邦大使館)