見渡すかぎり島!全国の島々が集まる祭典「アイランダー」とは??
日本国内からさまざまな島々が出展し、特産品の販売や観光PRなどが盛大に行われる「アイランダー」。移住相談や求人情報なども幅広く発信され、多くの離島ファンが集まる年に1度の離島の祭典です。今回は、2019年11月23日・24日に池袋サンシャインシティで開催された「アイランダー2019」についてご紹介します。
#香川県広島 #佐賀県高島
アイキャッチ画像・他画像提供:りとふる編集部
Contents
全国の島々が出展
国内の離島と言っても、歴史や文化、特産品などそれぞれ異なり、それぞれに魅力があります。近年では漁業や農業に関心を持つ方々や、島の持つすばらしい自然や独自の歴史や文化に惹かれる方々も増えています。今回のアイランダー2019では全国から83ブースが出展し、島の魅力や求人情報などを幅広くPRしていました。今回は、出展していたブースの中から5つの魅力をご紹介します。
佐久島の”むらさきの砂”

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愛知県の三河湾に浮かぶ「佐久島(さくしま)」。美しい街並みが残る景観は“三河湾の黒真珠”と称され、「にほんの里100選」にも選ばれるほど歴史と現代が融合した島です。
佐久島のブースでは、貴重な紫色の砂を使ったシーボトルづくり体験。島をぐるっと取り囲む海岸線には多くの入り江がありますが、新谷海岸(にいやかいがん)だけは紫色の砂浜です。この紫色の砂浜の正体は、細かく砕けたムール貝が砂に混ざったことで、紫色の砂浜に見えるようです。
アートな撮影スポットでも有名な佐久島ですが、島内だけで購入することができる紫色の砂を使ったピアスやネックレスなどのアクセサリーも人気です。ぜひ佐久島へ、本物の紫色の砂浜を見に行ってみてはいかがでしょうか。
南大東島の”ラム酒”

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沖縄本島の約400km東方に位置し、北大東島とともに沖縄県の中でも独立したエリアにある大東諸島の「南大東島(みなみだいとうじま)」。島の周囲は断崖絶壁に囲まれ、周りに他の島がないため“絶海の孤島”と呼ばれています。
南大東島のブースでは、原材料100%の国産ラム酒「COR COR(コルコル)」の試飲、販売。生産数も限定されているため希少性の高いこのラム酒は、無添加、無着色です。グリーンラベルの「CORCOR AGRICOLE」は、サトウキビ汁を発酵させて造られ、サトウキビの甘みを味わえるラム酒として人気です。カクテルやロック、お菓子などシーンに合わせて味わってみてはいかがでしょうか。
塩飽諸島の”青木石で挽いたコーヒー豆”
本島、広島、与島、牛島、手島、小手島など大小28の島々からなる、瀬戸内海に浮かぶ「塩飽諸島(しわくしょとう)」。坂出などで盛んだった「塩焼く」からきているとも、激しい潮流を意味する「潮湧く」からきているとも言われています。
豊臣秀吉が大阪城築城の時に、青木石が使われたことが青木石の砕石の始まりとされ、現在では香川県の金毘羅宮や瀬戸大橋記念公園の記念碑にも使われています。
塩飽諸島のブースでは、その品質の高い青木石製の石臼でコーヒーの豆挽きを体験。実際に青木石で挽いたコーヒー豆で淹れるコーヒーを試飲することもできました。瀬戸内の島々では、品質の高い採石場がたくさんあるので、島めぐりのスポットとして採石場を見学してみるのも良さそうですね。
甑島列島の特産品”きびなご”

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鹿児島県薩摩川内市、東シナ海にある「甑島列島(こしきしまれっとう)」。「上甑島(かみこしきしま)」「中甑島(なかこしきしま)」「下甑島(しもこしきしま)」の有人島3島と、多数の小規模な無人島が連なっています。
甑島列島のブースでは、特産品である「きびなご」のオイル漬けや味噌焼きなどを販売。また、甑島列島を紹介するVR映像では、甑島列島の絶景ときびなご漁の映像体験ができ、間近に網から飛び跳ねるきびなごの群れに驚かされました。甑島列島のきびなご漁は、日本一の水揚げ量と言われ、鹿児島県内のいたるところで、新鮮なきびなごの天ぷらやお刺身を味わうことができます。ぜひ、本場で新鮮なきびなごを味わってみてはいかがでしょうか。
高島で”宝くじ祈願”
佐賀県の唐津湾に浮かぶ「高島(たかしま)」。宝くじが当たるという噂のある宝当神社(ほうとうじんじゃ)があり、宝くじのシーズンには多くのファンが訪れています。
玄海諸島のブースでは、その高島で宝くじ売り場を併設するユニークな願掛けグッズショップ「宝当乃館」で販売している「当たりソーダ」を販売。このユニークなネーミングのオリジナルソーダは、来島した方が飲まれているご当地飲料のようです。SNSで話題にもなっている「拝む猫」もいる高島へ、宝くじを購入される方は当選祈願に行ってみてはいかがでしょうか。
移住者との交流
アイランダーの魅力は、何といっても島民や実際の移住者との交流が図れるところにあります。
焼尻島のブースでは、ご夫婦で島に移住された方とお話しすることができました。島へ移住したきっかけや、島での暮らしなど、実際に移住された先輩方のお話を直接伺うことができるのは、アイランダーならではだと思います。実際にお話しすることで、ガイドブックだけでは分からない離島の魅力や離島で暮らすための心構えなども参考になるのではないでしょうか。
実行委員へインタビュー
実行委員会を務める(公財)日本離島センターでは、離島に関する調査研究、広報誌の発刊、情報発信イベントなど島に関わるさまざまな取組みをしています。その中でも1994年から続くアイランダーは、毎年1万人以上の来場者が訪れている一大イベントへと成長しました。このイベントを通じて、多くの方々が離島に訪れるきっかけになれば良いです。
今年は、15年ぶりに島の総合案内書「SHIMADAS(シマダス)」が新版されました。アイランダーの前日(11月22日)が発行だっため、今回のアイランダーがお披露目の場となりました。今回の「SHIMADAS」では、北海道から沖縄県まで国内の有人島、無人島を合わせて1,750島の情報が掲載されています。「島の人口・面積」「島への交通」「プロフィール」といった基本データ、「みどころ」「特産物」「やど」などの観光情報、「生活」「学校」「医療」などの島情報が満載で、島ごとに紹介されています。それぞれの島には歴史や文化があり、今では一般では行くことの難しい無人島や北方領土の島々までも掲載されています。アイランダーに行くことができなかった方でも、オンライン書店や全国の書店でお取り寄せが可能なので、ぜひ一度、手に取って日本の島々を知って頂きたいですね。
最後に
今年のアイランダーも多くの方々が来場され、会場はとても賑わっていました。ステージでは、島の伝統芸能が披露されたり、トークショーなど盛り上がりを見せていました。アイランダーをきっかけに、地域の垣根を越え、島の魅力を知り、島へ行く、島に住む、というさまざまな島々への興味関心につながればと思います。現在は東京での開催ですが、数年に一度は地方開催されることも期待して…。