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大東諸島

南大東島ってどんなところ?船で15時間の“絶海の孤島”へ女子旅♪

2022.12.09

南大東島ってどんなところ?船で15時間の“絶海の孤島”へ女子旅♪

絶海の孤島と呼ばれる、南大東島(みなみだいとうじま)をご存じでしょうか?人が住み始めて、まだ約100年という沖縄県の離島です。今回はそんな魅力的な南大東島へ15時間の船に乗って女子旅をしてきました!!

#沖縄県 離島 #大東諸島 #南大東島 観光スポット
文章・画像提供:yuripon_sunflowerさん



南大東島とは?

南大東島_W04

沖縄本島から東へ約400km沖に浮かぶ断崖絶壁の南大東島(みなみだいとうじま)は、うふあがり島とも呼ばれ、東の涯ての島という意味もあります。サンゴ礁が隆起してできた隆起環礁の島で、沈んでいく火山島の上にサンゴ礁が堆積して南大東島になったと言われています。
人が住み始めて約100年の南大東島は、1820年にロシア海軍によって発見され、1900年に東京の八丈島からの開拓移民23名が上陸して人が住み始めました。
そのため、沖縄でありながら八丈島の文化と沖縄の文化が混ざり合ったとても珍しい文化を持っています。

南大東島へのアクセス

南大東島_南大東空港_W04

南大東島へは、飛行機または船で行くことができます。

●飛行機
那覇空港から琉球エアーコミューターのプロペラ機が出航していて、フライトは約1時間、毎日1便〜2便が運航しています。午前便は毎日運航していますが、午後便は曜日によっての運航なので注意が必要です。

[那覇~南大東島]
所要時間:約1時間
料金:普通運賃 片道28,440円、往復割引適用の片道18,790円

[南大東島~北大東島]
所要時間:約20分
料金:普通運賃 片道9,400円、往復割引適用の片道6,250円

●船
泊港または那覇新港からフェリーだいとうが週1便〜2便ほど運航しています。基本は4日間のスケジュールが1回の出航となっていて、南大東島先行と北大東島先行の2種類があります。4日間のスケジュールの中で南大東島と北大東島を往復しています。

[泊港~南大東島]
所要時間:約15時間(北大東島先行の場合は約17時間)
料金:片道5,790円、往復11,010円

[南大東島~北大東島]
所要時間:約1時間
料金:870円

私は今まで様々な離島に行ってきました。そのため、離島間の飛行機代が割高になることは理解していましたが、那覇~大東諸島間の飛行機代は他の離島よりもかなり高くて驚きました。
船だと飛行機に比べてかなり安く南大東島へ行くことができますが、夕方に出航して朝に着くので船内で1泊することになって時間がかかります。
大東諸島には北大東島もあるので、南大東島と合わせてどちらにも行きたい!となると、飛行機の往復割引は使えません。航空チケットサイトをうまく使って予約をするか、船も合わせて旅程を組むのがいいかなと思います。

実は今回、私たちは時間がかかっても船で行くと決めていました。そこまでして船を利用したかったのは、南大東島に上陸する時に船が港に接岸できないため、クレーンに吊るされて上陸するという他の島にはない上陸方法を体験するためです。私はこの光景にずっと憧れていて、必ず船で行くと決めていました!!笑

フェリーだいとうで南大東島へ

南大東島_フェリーだいとう_W04

船は事前に電話で予約をして、当日泊港の窓口でチケットを購入して受付をします(支払いは現金のみです)。17時に出航ですが、15時までに受付を済ませる必要があるので時間に余裕を持つと良いです。
船の乗り場まで行き、念願のフェリーだいとうを目の前にしてテンションが上がっていました!!

南大東島_フェリーだいとう_W04

1人1つの寝台が用意してあり、船内もきれいでとても快適です。1泊しますが、シャワーの設備がないので乗船する前に入浴しておくことをおすすめします。また、飲食ができるスペースはありますが、食べ物はインスタント麺の自動販売機と電子レンジがあるだけで船内に売店はありません。ご飯を買ってから乗船すると良いです。
コンテナなどの荷物を積み終わり、乗船客も全員乗ったら出発時間より早く出航することもあるようで、私たちが乗った時も16時半過ぎには出航していました。
甲板に出るとベンチがあって、風を感じながら外を眺めることができます。島旅の始まりを実感しながらとても幸せな時間を過ごすことができました。夕日も見ることができて最高でした。ここからは約15時間の長旅を船で過ごします。

船で行く時に注意をしてほしいことがいくつかあります。
私たちは事前に船に乗る旅程を決めていたのですが、1週間ほど前に船の運航スケジュールが急に変わったことに気づき、急遽飛行機の予約や旅程を変更しました。運航スケジュールが変わることはよくあるみたいなので、船の予約が無事に終わったと安心せずに定期的に運航スケジュールを確認することが必要です。
そして、私たちが船に乗った日はあまり海況が良くありませんでした。行きは出航できるけれど帰りはスケジュール通りに出航できないかもしれない、南大東島に着いても荒れていたら波が落ちつくまで沖に停泊して船で待機する可能性もあると言われました。過去には3日間も沖で待機して、そのまま那覇に戻ったこともあるみたいです。船で行く場合は、運航スケジュールが変わることを承知しておくと良いです。
また、船は外海を進むので、海況によってはかなり船体が揺れます。友人はしっかりと眠れたようですが、私は酔い止め薬を飲んでも少し酔ってしまいました…。不安な方は酔い止め薬が必須です。

南大東島_フェリーだいとう_W04

まもなく、念願の南大東島へ到着!!船内アナウンスがあり、船員さんも声をかけてくれます。
船は港と接岸ができないため海にあるブイと陸にあるビット(ロープをつなぐもの)に繋いで固定され、陸にあるクレーンがどんどん荷物を降ろしていきます。

南大東島_フェリーだいとう_W04

ついに!!!!私たちが乗るかごがやってきました!!!
実際に乗ってみると意外に安定感があって、30秒ほどで陸に着きました。アトラクションみたいで楽しかったです。南大東島にとっては日常の光景ですが、私にとっては憧れていた瞬間で、やっと!!!という達成感がありました!笑

南大東島_フェリーだいとう_W04

その後も次々にクレーンで車やバイク、コンテナなどの荷物が降ろされていき、大東海運の方々のチームワークが素晴らしかったです。
ちなみに、南大東島で下船せずに北大東島に行く場合は、船内で荷降ろしが終わるまで2時間ほど待ち、その後1時間ほどで北大東島に到着します。

南大東島に上陸したら、まずは宿泊する宿の方に送迎してもらって宿へ向かいます。南大東島は自転車でも回ることができますが、坂道もあるので電動自転車、バイク、レンタカーがおすすめです。私たちは宿のレンタカーを借りました。



南大東島のおすすめ観光スポット

星野洞

南大東島_星野洞_W04

さとうきび畑に囲まれた場所に現れる星野洞は、南大東島で1番の観光スポットでもある鍾乳洞です。私たちは予約をせずに直接行きましたが、念のために予約をしておいた方が良さそうです。ちなみに、星野さんの私有地にあるため、星野洞と名付けられたそうです。
中に入ると見事な鍾乳洞が現れます。ライトアップがされていて順路も解説看板もあるので、その通りを巡ります。鍾乳洞の中は少し寒いイメージがありましたが、星野洞では鍾乳洞の保護のためにしっかりと湿度が保たれていて少し蒸し暑く感じるほどで、カメラも曇ってしまうほどでした。
帰りの通路は坂道なのですが、歩く歩道が設置されていて楽々でした。

日の丸展望台

南大東島_日の丸展望台_W04

南大東島を360度見渡せる日の丸展望台からは、視界を遮るものがないので、のどかな島の風景を見渡すことができます。一面のさとうきび畑や集落も見えて、晴れた夜には満天の星空も見られそうです。

バリバリ岩

南大東島_バリバリ岩_W04

南大東島が現在も沖縄本島方面の北西に、1年で約7cmも移動しているのをご存知でしょうか。バリバリ岩では、島が移動する時に岩を割ってできた裂け目を見ることができます。島が動いていて、その裂け目に実際に立つことができたのは不思議な感覚でした。

海軍棒プール、塩屋プール

南大東島_海軍棒プール、塩屋プール_W04

南大東島は断崖絶壁なのでビーチがありませんが、その代わりに海沿いの岩をくり抜いて人工的に作った海水のプールがあります。
この日は海が荒れていて泳ぐことはできませんでしたが、海軍棒プールは少し水深があって小魚が泳いでいたのでシュノーケルをすることができました。海から打ち寄せる波がプールの中に入ってきて泡まみれになりながら泳ぐのがとても新鮮でおもしろかったです。
塩屋プールは浅いプールになっているので、小さい子どもでも遊ぶことができます。

シュガートレイン跡、ふるさと文化センター

南大東島_シュガートレイン跡、ふるさと文化センター_W04

南大東島にはさとうきびを運ぶための鉄道があり、シュガートレインと呼ばれていました。全長約29km、島1周ができるほどでした。1983年にトラック輸送へ切り替わって廃線となりましたが、当時のレール跡が島内に何ヵ所か残っています。
また、ふるさと文化センターには当時使われていたシュガートレインも展示されていて、開拓の歴史などを学ぶ資料館もあります。

大東神社

南大東島_大東神社_W04

八丈島の開拓移民の人々によって創建された大東神社には、夜になるとダイトウコノハズクや天然記念物のダイトウオオコウモリが現れるようです。今回は昼間に訪れたので見ることはできませんでしたが、生物がたくさんいる西表島に住んでいる私としては、南大東島にいる珍しい生物にぜひ会ってみたかったので次回のリベンジにしたいと思います。離島で神社を訪れることはあまりなかったので、今回は大東神社を訪れてみてとても新鮮でした。

旧南大東空港、CORCOR(コルコル)

南大東島_旧南大東空港、CORCOR(コルコル)_W04

南大東島の旧空港の建物にはグレイスラムという会社が入っていて、さとうきびから作ったコルコルというラム酒の醸造販売をしています。外観は空港の看板が付いたままで、中もそのまま使われているので旧空港の雰囲気も感じられます。南大東島のさとうきびから作ったお酒やラム酒ケーキはお土産にもぴったりですね。

南大東漁港

南大東島_南大東漁港_W04

日本で唯一の岩盤掘り込み式漁港の南大東漁港は、とても大規模なので本当に岩をくり抜いて造っているのかと疑うくらい立派な漁港です。この漁港ができるまでは、毎回漁船をクレーンで吊り上げて海に降ろしてから漁に出ていました。大東諸島近海は海産資源が豊富にもかかわらず、漁業活動に制限があって漁業振興の妨げになっていたそうです。漁港ができたことで漁船の係留や接岸が容易にできるようになり、漁業の発展の先駆けにもなったようです。この漁港ができるまでのパネルを見て、港を造ることの大切さやそれまでの時間と労力を感じることができました。

大東寿司、大東そば

南大東島_大東寿司、大東そば(いちごいちえ)_W04

大東諸島のグルメといえば、大東寿司が人気です。醤油ベースのタレに漬け込んだサワラなどのネタで握った握り寿司です。今回、大東寿司と合わせて食べた大東そばは、食べ応えがある太めの麺でとてもおいしかったです。南大東島の飲食店でランチを食べられるお店は限られているので、事前に営業時間などを電話で確認しておくのが良いです。

南大東島_W04

今回のランチは、いちごいちえというお店でした。なぜか離島へ行くとTシャツを買ってしまうのですが、今回はこちらのお店で大東そばTシャツを購入しました。笑

観光スポットを巡り終わると、その後は自分の気に入った場所でのんびりと過ごす時間が何とも言えない贅沢です。大東ブルーの海で泳ぐのをとても楽しみにしていましたが、今回は海がずっと荒れていて潜ることができなかったので個人的に心残りになってしまいました。次回は大東ブルーの海を満喫するために、夏に来てリベンジすると誓って帰りました。

今回は行きも帰りも船に乗る予定でしたが、やはりチケットを買う時に言われたように、帰りは海が荒れているために出航が延期になってしまい延泊をすることになりました。ギリギリまで船が出航するか分からず、結局接岸ができないということで人も荷物も乗せずに船だけが沖縄本島に戻ってしまいました。翌日も友人は延泊をして残りましたが、私は苦渋の決断をして帰りの飛行機のチケットを取ることにしました。予定通りに旅程を進めたい場合は、やはり船よりも飛行機の方が確実です。本当は北大東島にも訪れて宿泊をしたかったのですが、船だけの旅程では厳しいことを実感しました。飛行機とうまく組み合わせることが必要なので、大東諸島は絶海の孤島と言われるだけあって、少しハードルが高いのかもしれませんね。



最後に

南大東島_W04

ずっと憧れていた南大東島へ実際に行ってみて、少しハードルが高いとは言いましたが行くだけの価値はある離島です。最初の目的は船のクレーンに吊り上げられて上陸したいということでしたが、島を巡ると絶対にここで生きる、開拓していくという移民たちの生命力を感じられ、開拓の歴史などに興味をもって調べるとさらに南大東島に惹かれていきました。帰りの飛行機で隣の席になった地元の方が、昔の島のことを話してくれて、人の温かさにも惹かれました。
また必ず訪れたい南大東島、そして北大東島の魅力も知っていきたいなと思います。
読んでいただきありがとうございました。

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