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離島に移住をしたい方必見!移住経験者から伝える離島で暮らすために知っておきたいこと

2023.05.19

離島に移住をしたい方必見!移住経験者から伝える離島で暮らすために知っておきたいこと

※本ページはプロモーションが含まれています

わたしは、関西で生まれ育ち、社会人歴はもうすぐ20年を迎えます。
昨年、担当していた仕事がひと段落したタイミングで「徳之島」へパートナーとともに移住しました。次の仕事に就く前というタイミングだったので、今いる場所に縛られる必要はない、今だからこそ自由に決められると思いました。そして、わたしは「パートナーのルーツがある」というだけの理由で、ほとんど情報を持たないまま飛び立ちました。

徳之島は、鹿児島と沖縄の間にある離島群の中の1つです。2021年に世界自然遺産に認定され、めずらしい動植物が多数生息する多様性あふれる島です。
主要な産業は農業で、四季を通して常に様々な作物が流通しています。サトウキビやじゃがいも、たんかんの栽培が有名で盛んですが、そのほかにもトロピカルフルーツも豊富で、いわずと知れたマンゴーやパイナップル、少し小ぶりで酸味のある島バナナ、毒々しい見た目ながら控えめな甘さと食感が楽しいドラゴンフルーツなどが採れます。いずれも島民の方からいただくことが多く、実はこれまで買ったことがありません。

大きな目的も気負いもなく移住したわたしだからこそお伝えできる、離島で求人情報を探す方法と離島で働くために必要なことを5点ずつ紹介します。

アイキャッチ画像提供:PIXTA
文章:サタトマーシュ・チアキ
編集:りとふる編集部



離島で求人情報を探す方法

ハローワークやフリーペーパー

求人情報を得るには、ハローワークに行くことが先決です。オンラインでも情報の閲覧はできるので、移住前に目星をつけておくとスムーズです。
また、役場が発行している広報誌や、島内で流通している折込チラシなどのフリーペーパーも貴重な情報源です。そういった情報誌には求人情報が掲載されていることが多く、広告を見るだけでも、島内にどのような企業があるのかを知る手段にもなります。
さらに、各種媒体に求人は出ていなくとも、実は募集をしていることもしばしば…。SNSの投稿も要チェックです。島民の情報網をキャッチすることができると、人づてに仕事が見つかることもよくあります。
現在、わたしは島内でWワークをしていますが、本業はハローワークで、副業は知人からの紹介で見つけることができ、どちらもとても充実しています。

短期ならリゾートバイト

シュノーケリング

画像提供:PIXTA

北海道から沖縄まで、日本全国のリゾート地に住み込みで働くアルバイトです。稼ぎながら離島での暮らしをお試し体験できるので、移住の足掛かりとして利用する方が増えています。リゾートバイトでは、寮完備の求人が多く、食費・光熱費も無料の住み込み先もあるので、生活費を抑えることも可能です。
ゴールデンウィークや年末年始の長期休暇のタイミングなど、短期間での雇用が多いですが、中期・長期のリゾートバイトも相談できるので、移住先を検討する手段の1つにしてみてください。

特定地域づくり事業協同組合制度

総務省が行う地方再生政策の1つで、1年間に複数の事業者を巡りながら働く「マルチワーク」という新しいワークスタイルを実現する制度です。雇用は本制度を活用して設立された法人組織と結ばれ、正社員の形態が取られます。安定した雇用環境のもとで、一定の給与水準を確保した状態で働くことが可能です。
派遣先の事業者種別は様々で、農業・飲食業・宿泊業など季節ごとの需要に応じて勤務することになります。そのため、島内の様々な地域産業に携わることができるので、気に入った職種や事業所が見つかった場合は地元企業への就職ができる道もあります。
離島移住の最大の悩みともいえる地域との橋渡しと仕事をセットでサポートしてもらえるので、「移住者」から「定住者」への道のりがスムーズかもしれません。

地域おこし協力隊

その他_移住

画像提供:PIXTA

都市部の住民を受け入れて地域の活性化を図る制度で、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。新しい風となって地域のブランド化や特産品の開発など、様々な地域活動を実施します。
受け入れ先からは物件探しや住居貸与があったり、活動費や車両が支給される場合もあるので、地域の課題解決に取り組みながら腰を据えてその土地のことを知っていくことが可能です。
任期はおおむね1年以上3年以下ですが、期間満了後は隊員の定住・就業が期待されています。期間満了後に起業すると、経費として1人あたり上限100万円が支給される制度もあるので、移住を考えている場合には好条件と言えるでしょう。

島専門の求人サイト「島職」

離島専門の情報サイト「りとふる」が2023年2月から開始した、島に特化した求人サイトです。島で活躍する地元企業から大手企業まで、多岐にわたる分野の求人募集を掲載しています。
ありきたりの募集要項だけではなく、採用担当者にインタビューを行い、「どのような仕事をしているのか?」「その離島で働く魅力は?」など、実際に現地で働く方の声を添えて紹介しているので、読み物としても楽しめるコンテンツになっています。
会員登録の必要がなく、誰でも自由に閲覧することができるので、気になる企業や団体が見つかった場合は、そのまま直接コンタクトを取ってみてください。

公式サイトはこちら

離島で働くために必要なこと

専門職の方はチャンス

現在、日本では少子高齢化が進み、2025年に65歳以上の高齢者の全人口に占める割合が30%を超えると見込まれています。その一方で、2015年時点での離島地域全体の高齢化率は、39%という調査結果が出ています。医療や福祉に関わる職種の将来性や需要は、日本全国で高まりを見せると同時に、離島ではその活躍の場がより多くなると考えられるでしょう。
薬局チェーンや大手工場などでは、勤務地手当の支給や寮を完備しているところも多く、収入面でのメリットもありつつ、持っている資格を生かすチャンスではないでしょうか。

住居の見つけ方

「空き家バンク」のウェブサイトでは、地方公共団体が空き家情報を提供しています。ただ、インターネット上で見つけられる物件や情報は決して多くはありません。なぜ物件情報が少ないかというと、貸し出す整備ができていない物件が非常に多いという実情が挙げられます。また、賃貸契約を結べることになったとしても、「家財道具を置いているので、そのまま住んでほしい」「いつか島に帰る予定があるので、期間限定で貸す」などのように、一筋縄ではいかないことも多いのが現状です。そのため、島に空き家はたくさんあるけれど住むことができない、というジレンマがあるのです。

実際にわたしは、移住前にインターネット検索をしましたが、物件サイトで見つけたのは1軒のみ。住処を確保しなければと、その家をオンラインで契約しました。いよいよ現地入りして新居を訪れると、予めメールで依頼しておいた修繕がなされていなかったり、写真や動画で見ていた状態との違いが甚だしく、2ヶ月ほどで転居せざるを得ませんでした。その後、知人から「あの家、空くらしいよ」という情報を得て、無事に引っ越すことができました。これは家を探していることをあちこちで触れ込んでおいたことが功を奏していたかと思います。島での口コミの効果はどんなメディアよりも強いのでは…とも感じました。
いま振り返ると、島の家は湿気がこもりがちだったり、海風でいたるところに錆びが発生する…などの条件が思い浮かぶので、「確かにあの状態でも仕方がないか」と考えることもできますが、やはり移住1年生のわたしには大きなショックでした。

こういった理由から、移住当初から「これぞ!」と思う家や部屋に住めることは、正直まれだと言わざるを得ません。わたし自身も、今の家はまだ理想の住まいには遠いものです。「あくまでも借り暮らしだ」と折り合いをつけて、中長期的に探すことをおすすめします。

自治体の移住相談を利用

全国の自治体では移住促進に力を入れているため、自治体の移住相談を利用するのもおすすめです。期間限定でお試し移住ができたり、引っ越し費用の補助を受けられるなど、各自治体で様々な試みがあります。
また、移住スカウトサービスの「SMOUT」で情報を得るのも良いでしょう。求人情報が公開されていたり、自治体や地域の担当者とつながることができたり、オンラインで話を聞くこともできます。

島の生活環境を知る

以前、福井県のとある町が移住者向けに示した「七か条」が話題になりました。

「都会暮らしを地域に押し付けないように」「プライバシーが無いと感じるお節介がある」「多くの人々の注目と品定めがなされている」…など、少し語気の強い言葉が並んでいるので、不安をあおられてしまう部分もあります。しかし、移住者のわたしには、納得できる部分がたくさんありました。都会でのマンション・アパート暮らしだと、隣にどんな人が住んでいるのかを知らないことはよくありますが、離島や地方ではなかなかそうはいきません。
また、離島には大学や専門学校がなかったり、就職先や職業の選択肢が少ない場合が多く、中学や高校を卒業したら島を出る子どもたちが多いことも現実です。これは子どもたちだけの問題ではなく、転職を行う際にも同様だとわたしは考えています。

離島移住は、本土内の引っ越しよりも少々労力が必要です。そして、理想の暮らしを求めて移住する方が多いのではないでしょうか。だからこそ、自分自身や家族・パートナーの次の選択肢が限られてしまったり、諦めざるを得なかったりすることは、とてももったいないことだとも思います。
せっかく選んだ移住先での就職だからこそ、⾧く暮らし続けられるようにメリットや良い部分だけではない面にも向き合い、島の生活環境をじっくりと知っていきましょう。

地域社会に溶け込むために

まず最初は、移住者同士のコミュニティが気軽で入りやすいのではないでしょうか。わたしは、移住者が営業しているお店で様々な情報を得ることができました。
離島は、基本的にミニマムなコミュニティです。島内や集落内で行われているボランティア活動やイベントに参加すると、必ず見知った顔ぶれが揃います。買い物先で知り合いに出くわすこともしばしば。立ち話をしているだけでも、会話の中に誰かしら共通の知人が出てきてしまいます。ふとした会話から知り合いを増やすことができたり、早くにお店の顔馴染みになれるので、積極的にコミュニケーションを取っていくとどんどん世界が広がっていきます。
ただ、それらにストレスを感じたり、しんどいなと思う場合に無理は禁物です。急激にコミュニティを広げようとせず、まずは隣り近所や職場での関係性をつくっていきましょう。

まとめ

離島で求人情報を探す方法と、離島で働くために必要なことを5点ずつ紹介しました。
離島移住の目的によって、働き方は様々です。コロナ禍を経て、リモートワークの比重がぐんと増え、オンラインで完結する業務なら住まいを限定されないこともあるでしょう。もしかすると今までと同様の仕事を離島で行うことで、さらに生産性が上がるかもしれません。

今回紹介した方法以外にも、SNSや体験談だったりと様々な情報やサービスがあるため、手軽に情報を手に入れることができます。まずは情報収集に努め、気になる離島との接点を増やしていくことをおすすめします。

離島移住を検討している方々の一助になりますように。