アフリカ
セネガルの世界遺産「ゴレ島」の観光スポットからホテル情報までご紹介
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西アフリカの最西端に位置する国「セネガル共和国」へ行ってきました。
私がこの国を訪れ、特に印象深かったのが「ゴレ島(Île de Gorée)」という離島。美しい景観と歴史的な遺産があることで知られ、国内外から多くの観光客が訪れる場所です。セネガルに行くのであれば、外せないのがやっぱりここ「ゴレ島」です。
今回の記事では、首都ダカールからゴレ島への行き方や、ゴレ島の見どころやホテル情報など、魅力をたっぷりとご紹介します。
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文章・画像提供:サタトマーシュ・チアキ
Contents
ゴレ島への行き方
ゴレ島へは、首都・ダカールの南部に位置する船着き場(Port Autonome de Dakar)から定期的に運航されているフェリーで渡ることができます。
まず、フェリー乗り場に到着すると、制服を着た憲兵隊員がパスポートチェックを行います。初めての経験かもしれませんが、にこやかな笑顔で挨拶すれば特に問題はありません。パスポートを提示すると、「ジャポン!」「コンニチワ!」と声をかけてくれました。このような交流から、ゴレ島への旅が始まります(パスポートコントロールが免除される場合もあります)。
窓口でチケットを購入し、入場列に並びます。
ゴレ島への入場料金は、2024年4月時点でアフリカ以外の外国人は5,200FCFA(約1,300円)でした。
休日や出発時刻間際には行列ができることもあり、混雑することがありますが、フェリーはほぼ1時間おきにダカールとゴレ島を行き来し、早朝から夜遅くまで運航しています。
以下は、ダカールからゴレ島へのフェリー時刻表の一例です。
数百人が乗船できる、想像以上に大型で新型のフェリーに乗り、約20分の船旅を経てゴレ島に到着します。
このフェリーはとても快適でした。船内からは風景が一望でき、特に晴れた日には美しいダカールの海岸線やゴレ島を遠くに見つけることもできます。船旅自体はとても短いですが、どんどん変わる景色や船の揺れ、海風を感じながらゴレ島への期待が高まっていきます。
ゴレ島へ向かう船には外国人観光客だけでなく、意外にも多くのセネガル人も乗っていました。乗客は皆どこか浮き足立っていて、私自身もついついその雰囲気で高揚してしまいます。
船を降りると、目の前には飲食店やカラフルな建物が並び、子どもたちや観光客が思い思いに楽しんでいるビーチが広がっています。
どの方向に進んで良いか迷ってしまうかもしれませんが、ゴレ島はぐるっと1周するのに1時間もかからない小さな離島です。マップを見ずに焦らずゆっくりと散策しながら、どのルートからでもゴレ島を楽しんでもらいたいと思います。きっとそれぞれの路地を巡るからこそ、たくさんの小さな発見があるのでしょう。
ゴレ島の歴史を遡ると、奴隷貿易が行われていた土地として知られています。
かつてこの島に送られた黒人奴隷たちにとって島を離れることは奴隷として送られる時、もしくは死亡した時以外には許されなかったと言われています。
しかし、今日では観光地として開発され、ビーチで海水浴を楽しんだり、レストランで海鮮料理を味わったり、リゾート気分を満喫することができます。
さらに、ゴレ島はアートの島としても知られ、多くのアーティストたちが作品を制作・展示しているため、島全体がとてもカラフルで鮮やかに彩られています。このような文化的な活気に溢れた雰囲気に包まれていると、かつての歴史がどこか遠いもののようにも思えてしまいます。
そのようなことからゴレ島は「負の世界遺産」とも呼ばれている半面、現代の活気が妙にマッチして不思議な印象を感じる場所でした。
ゴレ島で巡ったスポット:奴隷の家
かつてゴレ島にはいくつかの監獄が存在していましたが、現在はその中の1つだけが残され、「奴隷の家(MAISON DES ESCLAVES)」というミュージアムとして一般公開されています。
奴隷貿易が盛んだった時代に黒人たちが集められ、奴隷として船に積み込まれる場所として使用されていました。
ミュージアムでは奴隷たちが日々生活していた狭く暗い部屋や、当時使われていた道具などが展示されています。また、奴隷売買の実態やその背景、奴隷たちの苦しみなど奴隷売買の歴史を伝える展示がされていました。
開館時間は10:30~17:00まで、入館料は500FCFAでした。
追加料金で英語やフランス語でのガイドをつけてもらうことも可能なので、より詳しい説明を聞きながら見学することもできます。
こちらの場所で過去の歴史と直接向き合うことで、涙ぐんでいる観光者もちらほらと見かけました。
こちらの写真は、人々が奴隷として船に積み込まれて送られる最後の出口です。
高校生の頃に奴隷貿易について学んでいたものの、正直なところ当時はあまり特別な感情を持っていませんでした。しかし、黒人・白人・女性・子どもなどの区分けがされた部屋を巡るなかで、感覚が180度変わりました。正直、「楽しい!」と言える場所ではありません。より詳しい歴史を知ったところでその重みは変わりません。ただ1つ、訪れることができて良かったと感じることができました。
ゴレ島で感じる芸術:アフリカンアート
ゴレ島のあちらこちらではアーティストたちが自身の作品を展示しています。島全体がまるで1つのギャラリーのようで、やはり「アートの島」という印象が残っています。
それぞれの作品には独特なタッチで表現が描かれていて、いずれも赤や黄色といった鮮やかな色みが特徴です。
風景画などのベーシックな絵画のほかにも、キャンバスに絵具を飛ばした加工を施しているものだったり、アフリカ布を組み合わせたコラージュ作品や廃材を利用したリサイクルアート、アフリカンテイストの木彫りの彫刻がずらりと並べられていたりと、多種多様なアートが目に飛び込んできます。
サンドアートを制作するアトリエもあります。カラフルな砂を巧みに操って瞬時に作品を仕上げてしまうので、ついつい見惚れてしまい、思わず作品を購入したほどです。
彼らの紡ぐデザインの多くは生活を営む人々の様子を切り取っているもので、アートからアフリカ・セネガルの人々のナチュラルな暮らしも垣間見られるように感じました。
ゴレ島で響きわたる音楽:アサラト
「アサラト(別名:パチカ・ケセンケセン)」という楽器をご存知でしょうか?
この楽器は西アフリカ発祥で、日本の民族楽器店でもよく見かけることもあります。
西アフリカ全体で広く使われている楽器と聞いていたので、どこかで見かけるだろうと期待していたのですが、市内では思ったよりも見つからない状況に少し戸惑っていました。
ところが、ゴレ島に到着すると島のあちらこちらでアサラトの音色が響いていて、たくさんのアサラト奏者たちが私たち観光客を待ち構えていました。
ただ一方で、アサラト奏者たちは観光客が現れるとすぐに近づいてきて、高額で楽器を売りつけようとしてくるので要注意。話をすればわかってもらえますし、このコミュニケーションこそセネガルでのアクティビティの1つではないかとも感じています。
アサラト奏者たちのおかげで、島内ではいつもどこかでアサラトが奏でるリズムが響いています。この楽器を通じてセネガルの音楽文化に触れ、本場の音色も体験することができました。
ゴレ島のホテル:Chez Eric
観光地として発展しているゴレ島には、様々な宿泊施設があります。
私はbooking.comやExpediaなどのサイトで事前に検索し、宿泊予約をしました。しかし、実際に現地へ到着すると、さらに素敵な宿泊先が見つかって悔しい思いをすることも…。特に観光シーズンには人気の宿泊施設ではすぐに満室になることがあるため、やはり事前の予約がおすすめです。
そこで私が特におすすめしたいホテルは「Chez Eric」です。オーナーのエリックさんとその家族が運営し、インターネットからの予約手続きもスムーズで質問にも迅速かつ丁寧に対応してくれました。
建物の装飾はゴレ島の街並みと同様に鮮やか!宿泊した客室は、大きなベッドにチェストとシンプルで広々とし、なにより清潔感がありました。枕元にはコンセントがあり、天井からはしっかりとした蚊帳も備え付けられていたので安心して眠ることができました。
バス・トイレは共同利用でしたが、プライバシーはしっかりと守られています。
客室内ではWi-Fiの接続がやや弱かったことが唯一の難点だったかと思いますが、一歩外に出れば接続は問題はありません。
中庭にはゆったりとしたソファやベンチが置かれていたので、くつろぎながらインターネットを利用して次の目的地や経路などを調べたり…。敢えてスマートフォンを使わない時間にしても良いかもしれません。
朝食は2階のテラスで、数種類のパンとジャム、おいしいコーヒーや紅茶をいただきました。対応してくれたスタッフさんは寡黙だけれど丁寧に細やかなサービスを提供してくれました。
全体的にかなり洗練されていて、とにかく清潔でリゾート気分も味わえるホテルでした。
ゴレ島で知る自然:バオバブ
「星の王子さま」でも有名なバオバブは、アフリカ諸国で広く見られ、セネガルのシンボルでもある巨木です。
島内を散歩していると、バオバブの苗木を見つけました。セネガルではあちらこちらで植えられ、バオバブの果肉を加工した「ブイ」やジュースとしても親しまれています。
セネガルで身近な木が、まさかこの小さな島で育てられているとは!カラフルな鉢に植えられているバオバブはどれも愛らしい姿をしていて、思わず1つ購入をしてしまいました。
ゴレ島の最大の魅力:街並み
ゴレ島の1番の魅力は、何といっても街並みだと思います。セネガルの市内の景色とはまったく異なり、赤煉瓦の屋根と空・海の青さとの調和が何とも言えません。
カラフルな建物と共に1年を通じて多彩な花々が咲き、赤や黄色、ピンクといった鮮やかな原色が常に目に飛び込んできます。
少し高台に上って行くと、このような砲台跡も残っています。
こちらの写真で洗濯物が干されていることがわかるでしょうか?
ゴレ島は観光地でありながら、生活を営んでいる人々もいます。商売をしていたり、食事を作っていたり、地元の子どもたちが走り回っていたり、少し島内を歩くだけでも様々な顔を見せてくれます。
まとめ
ぐるっと1周しても、歩いて1時間かからない小さな離島のゴレ島。
負の世界遺産とも呼ばれている「奴隷の家」が代表的な観光スポットで、その他に特に大きな見どころがあるわけではありませんが、ゆっくりと時間を過ごすには持ってこいの場所です。日帰りでも楽しめますが、可能であれば1泊だけでも宿泊してゆっくりと過ごす時間を持つことをおすすめしたいです。
街並みはかわいらしく、その風景を見るだけでも訪れる価値があります。気負わずにゴレ島ののんびりとした雰囲気をただただ楽しんでほしいです。
ゴレ島で暮らしたり、商売をしているセネガルの人々との会話も大切なアクティビティの1つです。押し売りのように感じることもあるかもしれませんが、値切り交渉も楽しんでください。
日本ではなかなか見ることのできないセネガルの独自のアート表現を通じて、ゴレ島でセネガルの人々との交流を深めてみてはいかがでしょうか。